お口と全身の関係

歯ぐきが化膿している方や、親知らずがうずく方に、


「最近、体調はどうですか?」
「きちんと眠れていますか?」
「疲れはないですか?」


と質問してみると、

 


「体調を数日前から崩しています」
「実は風邪をひいています。」
「仕事が忙しくてほとんど眠れていません」


という言葉が返ってきます。

 

歯の病気というと、口の中だけの問題と捉えられがちですが、本来は体の全身の状態と密接に関連しています。

 

虫歯や歯周病は細菌感染症です。細菌と体は常に戦っています。抵抗力が強い時には、細菌からの攻撃を防ぎ続けています。

 

しかし、疲れが溜まっていたり、睡眠不足であったり、風邪をひいたりして、体の抵抗力が下がると一気に細菌の勢力が強くなり、体が負けてしまいます。

 

一度、化膿した個所が、腫れたり、引いたりの繰り返した経験の方もおられると思います。これは、体の免疫力が高い時と低い時がある為に、このような症状の繰り返しがあるわけです。

 

例えるなら、風邪引きと同じです。車の往来がさかんな屋外の空気中は、車の排気ガスに含まれる雑菌で満ちています。

その屋外を歩行すると、必ず呼吸によって、雑菌を吸い込みます。寝不足や疲れが溜まっていない時に、屋外で歩行をしても、風邪は引きません。

 

しかし、寝不足や疲れが溜まっている時、つまり免疫力が落ちている時に、屋外で歩行すると、風邪を引いてしまいます。同じ雑菌を吸いこんでも、抵抗力が高い時と低い時とで、体に現れる症状は変わってきます。これは、お口の中の症状にも同じ事が言えます。

 

これとは別に、疲れや、精神的なストレスがコントロールできていないと、人は寝ている時や、起きている無意識な時に、歯軋りや食いしばりをしてしまいます。特に、うまく物事がいかない事があったり、イライラしているときに、体重の2倍の力で1日2~4時間も無意識に食いしばっていることもあります。

この異常な筋肉の収縮が、緊張性頭痛や肩こり、奥歯の痛み、知覚過敏、歯の破折の原因となっているのです。歯が痛くなる原因が、必ずしも虫歯や歯周病ではないのはこのためです。

 

口の中から、管を通して触れるところは全て体の外側です。
ですから、口の中、胃の中、腸の中には細菌が沢山存在します。ただし、血管の中や肝臓や心臓の中は体の内部であり、本来細菌が一匹も存在してはいけない場所なのです。

 

それが歯周病菌を放置したままにしておくと、歯茎の中の血管から歯周病菌が進入し、体の内部に侵入してしまう事が分かっています。

 

口の中の細菌が、糖尿病、心臓疾患、早産、生活習慣病に深く関連しているという報告が、最近の研究発表で明らかにされています。

 

確かに歯が原因で死ぬことはあまりありません。(死ぬこともあります)
しかし、一般開業医レベルでお口の中の細菌と、体の病気の因果関係を特定する事は出来ないですが、お口の中の管理がしっかりしていないと、様々な病気を誘発する一要因には関与しているようです。

 

口は体の入り口です。上流を綺麗にしておかなければ、下流も汚れてしまいます。

歯のためだけではなく、体全身の健康のためにも、お口の中の細菌のコントロールは、とても大切であります。

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