プロフィール
自己紹介
岡山県で生まれた私の家は代々、歯科医師を家業としております。初代の廣瀬縫殿から数えて、私で5代目となります。
なかなか5代も歯科医師が続いている家系はないと思いますが、4代目の父は何故か私に直接、口に出して歯科医師になれとは言いませんでした。そんな父は昔から日本拳法という武道を鍛錬しており、自分自身にとても厳しく、決めたことを最後まで貫き通す芯の強い人です。
その影響を受けたのか、私は父から幼少より日本拳法を学んでおり、武道を通じて礼儀礼節や心身ともに鍛錬することの大切さを学びました。まさに父親であり、師匠でもありました。この時期の経験が今の自分の根本となっており、後々自分の助けとなることになります。
そんな私が歯科医師を目指すことを決めたのは遅すぎますが、高校3年の半ばも過ぎた頃だったと思います。父の背中を見てなのか、代々続けてきた歯科医師という家業を自分が潰す訳にはいかないという気持ちがとうとう決意させました。
ただ、その気持ちに反して、今までほとんど勉強していなかったことから、成績は目も当てられないほどで、遅れながらもそこから少しずつ勉強し、何とか岐阜県にある朝日大学歯学部に入学することができました。
大学に入学した後からは歯科医師になるという目標に向かって勉強していたので成績もそこそこ良く、6年間で留年することなく順調に卒業しました。しかし、普通に勉強していたら合格すると思っていた歯科医師国家試験で、たった1点足らずで不合格となってしまい、人生で大きな転機を迎えることとなりました。
国家試験に落ちた当初は自分の勉強不足を棚に上げ、ただ運が悪かっただけ、などと自分に言い聞かせて納得しようとしていました。しかし、時間が経つにつれ、いつまでも現実から目を背ける訳にはいかなくなり、自分を今一度見直すことで考えを改めました。
そもそも、たった1点足りなかった、という考え自体が甘く、合格点ギリギリまでたくさん間違ってしまっている、ということが良くないと気付き、100点とるくらい勉強する覚悟が必要だと思い立ちました。
そして1年間ほぼ毎日、教科書、過去問、資料などを1から読み直し、徹底的に勉強を続けました。その結果、2年目では全国の模擬試験でも高成績で、本番の国家試験では余裕を持って合格することができました。
この1年間は多くの人からはきっと、人生においては無駄な回り道だと思われるのでしょうが、自分にとってはとても貴重で、何かを継続、維持することの難しさや、すぐに結果がでなくともあきらめずに努力することの大切さを学ぶことができた、私にとっては実りのある回り道でした。
この当時、最後まで勉強を続けられたのは幼少から学んだ武道の精神と家族や友人の支えがあったからだと思います。
歯科医師となり研修医を終えた私は、岐阜県から約8年振りに地元の岡山県に戻り、岡山大学大学院の口腔顎顔面外科分野に進学しました。
4年間の大学院生活を通して、口腔外科医としての臨床経験および癌に関する研究に携わることができ、結果として口腔外科認定医を取得し、歯学博士となりました。
また父が開業している歯科廣瀬医院でも実際に患者様の治療をしながら、一般診療についても少しずつ学び始めました。私にとって父は日本拳法の師であると同時に、歯科医師としても師となりました。
自分の父が師匠であることは厳しいこともありますが、積み上げてきた多くの技術や伝統を継承させてもらうことができ、深い学びになっていると感じています。
なかむら歯科クリニックの中村幸生院長と出会ったのは、この大学院生の時です。縁あって友人から紹介していただいた中村院長は当時から、とても情熱を持って患者様に歯科治療をされており、私は若輩ながらとても素晴らしいと感じると同時に、自分はもっと勉強しないとダメだと感じました。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、中村院長は、なかむら歯科クリニックで多くの経験と学びの場を提供して下さいました。
そして中村院長を通じて多くのセミナーや勉強会に参加させていただくことで、知識を得ることの大切さや、あらゆる分野に関心を持つことの重要性を知ることができました。
今現在では、私は歯科医師として更なる目標に向かって、なかむら歯科クリニックの院長をはじめ、職種関係なく多くのスタッフと共に、お互い切磋琢磨しながら日々精進しています。
「温故知新」という言葉があります。その言葉が示すように、私は医療技術の進歩による最新の治療も、もちろん大切だと思っていますが、私の父から継承してきたような伝統的な治療も大切だと思っています。
それらを踏まえた上で、私は患者様一人ひとりに合った最善の治療を目指していきたいと考えております。何かあれば治療のことでも、治療以外のことでも、何でも気兼ねなくお尋ね下さい。
長くなりましたが最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
