インプラント治療について知っておくべきこと

広島県福山市　なかむら歯科クリニック

歯科医師　院長　中村幸生

インプラントは、失った歯を再生する治療法として、人気が高まっています。しかし、正しい知識がないままインプラント治療を受けると、悪影響を及ぼすこともあります。そこで今回は、インプラント治療についての基礎知識をまとめました。

【目次】

1. インプラント治療とは
2. インプラント治療のメリットとデメリット
3. インプラント治療の種類
4. インプラント治療の費用
5. インプラント治療の注意点
6. インプラント治療のアフターケア

 

【1. インプラント治療とは】

インプラント治療は、失った歯の根っこに人工的な歯根を埋め込むことで、噛む力を回復させる治療法です。天然歯と同様の機能を取り戻すことができるため、多くの人に選ばれています。インプラント治療は、周囲の歯に影響を与えることが少なく、口内の清潔を保ちやすいという利点があります。

インプラント治療は、大きく分けて以下の3つのステップに分かれます。

1. インプラント埋入 まず、歯肉を切開して、歯根に人工的な歯根を埋め込みます。人工的な歯根は、主にチタン製のものが使用されています。埋入した人工的な歯根は、時間とともに周囲の骨に固定されていきます。
2. 上部構造物の取り付け 人工的な歯根が骨にしっかりと固定されたら、上部構造物を取り付けます。上部構造物には、人工的な歯根と同じチタン製のものが使用されることが多いです。上部構造物には、義歯やブリッジ、クラウンなどを取り付けることができます。
3. 人工歯の取り付け 上部構造物が取り付けられたら、最後に人工歯を取り付けます。人工歯は、自然な見た目を再現するために、セラミックスなどの素材が使用されます。取り付け後は、咀嚼機能や美しさを取り戻すことができます。

【2. インプラント治療のメリットとデメリット】

インプラント治療のメリットとしては、周囲の歯を削る必要がないこと、噛む力が回復すること、見た目が自然であることなどが挙げられます。また、インプラント治療を受けることで、歯周病の進行を抑えることもできます。

一方、治療期間が長いこと、費用が高いこと、手術のリスクがあることなどがデメリットとして考

えられます。また、インプラント治療を行うには、歯肉や骨の状態が十分に良い必要があります。歯肉や骨の状態に問題がある場合は、追加の手術や治療が必要になる場合があります。

【3. インプラント治療の種類】

インプラント治療には、以下のような種類があります。

1. シングルインプラント シングルインプラントは、1本の歯を補う治療法です。1本の人工歯を支えるために、1本の人工的な歯根を埋め込みます。シングルインプラントは、周囲の歯に影響を与えることが少ないため、自然な咀嚼ができます。
2. マルチインプラント マルチインプラントは、複数の歯を補う治療法です。複数の人工的な歯根を埋め込み、橋や義歯を支えることができます。マルチインプラントは、シングルインプラントに比べて、手術時間や費用がかかる場合があります。
3. オールオン4 オールオン4は、4本の人工的な歯根を埋め込み、全ての歯を補う治療法です。オールオン4は、従来のインプラント治療に比べて、手術時間や費用が少なくて済む場合があります。
4. オールオン6 オールオン6は、6本の人工的な歯根を埋め込み、全ての歯を補う治療法です。オールオン6は、オールオン4に比べて手術時間や費用が多くかかる場合がありますが、より安定した治療結果が期待できます。

【4. インプラント治療の費用】

インプラント治療の費用は、治療法や治療院によって異なりますが、一般的には50万円から100万円程度が相場です。また、保険が適用されることはほとんどないため、自己負担が必要となります。

【5. インプラント治療の注意点】

インプラント治療を受ける前には、以下の注意点について確認しておく必要があります。

・治療院の選び方：インプラント治療は、手術が伴うため

、経験豊富な専門医が在籍する治療院を選ぶことが大切です。治療院選びは、ホームページや口コミなどを参考にすると良いでしょう。

・健康状態の確認：手術にはリスクが伴います。事前に、健康状態やアレルギーの有無などを医師に相談しましょう。また、喫煙者は治療前に禁煙することが推奨されます。

・インプラントの材料：インプラントの材料には、チタンやセラミックなどがあります。材料の選択によって、治療後の痛みや違和感が変わる場合があるため、材料についても確認しましょう。

・治療期間や費用：インプラント治療は、治療期間が長いため、長期的な計画が必要です。また、費用も高額になるため、自己負担の準備が必要です。治療期間や費用についても、事前に医師と相談しましょう。

【6. インプラント治療のアフターケア】

インプラント治療後は、以下のアフターケアが必要となります。

・食事の制限：手術後は、硬い食べ物や粘り気のある食べ物を避け、柔らかいものを摂るようにしましょう。また、食事の際には、噛み合わせに注意しながら食べるようにしましょう。

・口腔ケア：口内を清潔に保つことが大切です。定期的なブラッシングやうがい、デンタルフロスの使用などを行いましょう。また、口内を清潔に保つために、タバコやアルコールの摂取を控えることが望ましいです。

・定期検診：治療後は、定期的に治療院での検診を受けることが必要です。定期検診を受けることで、治療後の経過を確認し、早期に問題を発見することができます。

【まとめ】

インプラント治療は、失った歯を再生する治療法として、多くの人に選ばれています。しかし、治療前にはしっかりと知識を得て、適切な治療院を選び、アフターケアも行うことが大切です。また、費用や手術のリスクも考慮し、自分に合った治療法を選ぶようにしましょう。インプラント治療は、周囲の歯に影響を与えることが少なく、自然な咀嚼ができるという利点があります。しかし、治療期間が長いため、計画的な治療が必要です。また、治療には費用がかかるため、自己負担の準備が必要です。インプラント治療を受ける場合は、事前に医師と十分な相談を行い、リスクやメリットを把握した上で、適切な治療法を選ぶようにしましょう。

広島県福山市　なかむら歯科クリニック

歯科医師　院長　中村幸生