インプラントの成功はメンテナンス次第!?知っておきたいインプラントの正しいメンテナンス方法とは?

「インプラントは手術がうまくいけば万々歳!その後は何十年も使えるんでしょう?」と
思っている人もいるかもしれません。

確かにインプラントの手術が成功することは大事ですし、インプラントは一般的に長持ちする治療法として知られています。

ですが、インプラント手術が成功しても、その後ケアを怠ればインプラントが長持ちしないこともあります。

実は、インプラント治療の「成功」は、インプラント手術そのものを成功させることはもちろんのこと、インプラント治療終了後のメンテナンスの仕方によって決まってくる部分が大きいのです。

ここでは、インプラントのメンテナンスがなぜ大切なのか、またインプラントを長持ちさせるためにできるセルフケアの方法、歯科医院で行う具体的なメンテナンスの方法、といったことについて解説していきます。

インプラント治療をお考えの方、インプラントを長持ちさせたい、という方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

 

1.インプラントを長持ちさせるためにはメンテナンスが欠かせない!

 

「インプラントは人工物でむし歯にもならないし、そんなにお手入れしなくてもよいのでは?」と考える人もいるかもしれません。でも実はその逆なのです。

確かにインプラントは人工物ですが、「体に半分埋め込まれている」という特性上、ご自分の体の一部になっています。

細菌が多く住んでいるお口の中に半分露出しているという状況においては、常に細菌感染のリスクがあります。

さらに、インプラントは骨と結合しますが、その結合状態は天然歯と骨の結合状態ほど完ぺきではないので、炎症や感染に対して弱いという側面を持っています。それに加え、構造上、インプラントは天然歯に比べて異常な力に対して弱い部分もあります。

そのため、インプラントを埋めた後に長持ちさせるためには、細菌感染や、噛み合わせの力からインプラントを継続して守ってあげる積極的な「メンテナンス」が大事になってくるのです。

 

2.インプラント手術後のメンテナンスはなぜ重要?具体的に教えて!

2.インプラント手術後のメンテナンスはなぜ重要?具体的に教えて!

それでは、インプラント手術後のメンテナンスがなぜ重要なのか、一つ一つ詳しく見ていきましょう。

 

2-1インプラント周囲炎を予防するため

インプラント周囲炎とは、インプラントの命取りになる第一の原因で、インプラントが埋め込まれている歯茎や骨などに細菌感染を起こし、病状が進行するとだんだんと骨が失われ、インプラントを支えられなくなっていく病気です。

インプラント周囲炎が進行すると、最終的にはインプラントが脱落してしまいます。

これは天然歯の「歯周病」の状態と似ていますが、インプラントと歯茎・骨とのくっつき方は天然歯の場合のようにうまくできていないため、細菌が入りこみやすく、一度細菌感染をしてしまうと歯周病よりも急速に悪化します。

そのため、インプラントは天然歯以上に、清掃を念入りに行う必要があります。

 

2-2かみ合わせに異常がないかをチェックするため

インプラントをだめにしてしまう別の原因として、「過剰な力」「異常な力」があります。
インプラントを入れた後には被せ物をし、かみ合わせの調整をした状態で終了しますが、かみ合わせというものは月日が経つにつれ、だんだんと変化していきます。

何も被せ物などが入っておらず、天然歯だけの場合には、均等に歯がすり減るため、それほど問題になることはありませんが、インプラントに被せるセラミックや金属は天然歯よりも硬いため、やがてそこが強く当たるようになります。

また、インプラントの周囲には、天然歯と骨の間に存在する「歯根膜」というクッションがなく、骨と直接結合していますので、かみ合わせの力を和らげるものがなく、力を直接的に受けてしまいます。

 

2-3残っている歯の健康維持のため

インプラント周囲の歯がむし歯や歯周病にかかってしまうと、そこには細菌が多く増殖してしまうため、インプラントにも悪影響を及ぼす恐れがあります。

むし歯や歯周病はよほど悪くならないと症状を出さず、自分ではなかなか気づかないので、定期的にチェックをすることが必要ですし、クリーニングをすることで予防していくことが大事です。

 

2-4スクリューの緩みなどがないか、などのチェックをするため

骨の内部に埋め込んだインプラントの上には、被せ物をスクリューで取り付けますが、使用していくうちにだんだんとスクリューが緩んでくることがあります。

そのまま気づかずに使用していると、破損したり脱落したりする恐れがあるため、定期的にメンテナンスをして異常が起こらないようにしておくことが大事です。

 

3.自分でできる効果的なセルフケア方法はあるの?

3.自分でできる効果的なセルフケア方法はあるの?

インプラントを長く良い状態で保つために最も大事な毎日のセルフケア。具体的に次のように行ってみましょう。

 

3-1歯ブラシ以外の清掃用具も使う

インプラントのお手入れは歯ブラシだけでなく、より細かい部分まで汚れを落とせる補助清掃用具を使うことが大事です。

具体的には歯間ブラシ、デンタルフロス(インプラント専用タイプ)、ジェット水流を使ったウォーターフロスなどを使ってみるとより細かい部分の汚れも落とせます。もちろんこれらは天然歯のお掃除にもおススメです。

 

3-2健康的な食生活・生活習慣

インプラント周囲炎の原因となるプラークの溜まりやすさは食生活によって大きく左右されます。糖分過多や加工食品の食べ過ぎはプラークを溜まりやすくしますので、バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

また、タバコやアルコールも危険因子となりますし、糖尿病や骨粗しょう症などの生活習慣病もリスクを高めますので、健康的な生活を送ることも大事です。

 

3-3歯ぎしりがある場合にはマウスガードの使用

夜間に歯ぎしりをする人は、歯を守るために歯科でマウスピースを作ってもらい、夜間に装着することで、過剰な力によるダメージからインプラントを守ることができます。

 

4.歯科医院で行うメンテナンスってどんなことをするの?頻度は?

 

歯科医院で行うインプラントのメンテナンスとしては、次のようなものが挙げられます。

 

4-1インプラント、残存歯の状態チェック

インプラントのスクリューの緩みや破損などがないかのチェック、残っている歯の健康状態のチェックを行います。

 

4-2レントゲン診査

必要に応じてレントゲン撮影を行い、インプラントを支えている骨の状態もチェックします。

 

4-3かみ合わせのチェック・調整

かみ合わせに負担がかかっていないかのチェック、もし異常が見られるならば調整を行います。

 

4-4クリーニング

セルフケアで落とし切れないプラークや歯石を専用の機械や器具を使ってすみずみまで落としていきます。

インプラントのメンテナンスの頻度は、厳密には患者さんのリスクの程度(歯周病、喫煙、糖尿病など)やお口の状態によっても異なりますが、一般的には3~6か月に1回程度が目安となります。

 

5.まとめ

 

インプラントは半世紀以上前より行われている歴史の長い治療法で、成功率が高く、正しく使用すれば半永久的(10年単位)で持たせることのできる、メリットの大きな治療法であることはよく知られています。

ただし、長く良い状態で使えている人というのは、やはり今回ご紹介したようなメンテナンスをきちんと行っている人であり、お手入れがおろそかな場合、早期にダメになってしまうものであるということは知っておく必要があります。

インプラント治療を検討中の方やすでにインプラントが入っている方は、ぜひこの点を忘れずに、正しくメンテナンスを続けて快適な毎日を過ごせるようにしていきましょう。

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