歯科検診(歯の定期検診)なぜ必要なの?通う人と通わない人の違いは何?

歯科検診(歯の定期検診)なぜ必要なの?通う人と通わない人の違いは何?
皆さんは歯の定期検診に行っていますか?歯医者に行くのは、お金も時間ももったいないので、歯は何か問題があったらその時に歯医者に行けばいい、と思っている人もいるかもしれません。

ですが、歯というのは、問題が起こってから、つまり歯にダメージが起こってしまってからでは手遅れになってしまうことも決して少なくありません。また、トラブルが起こってからでは、治療に際し、多くの時間やお金がかかってしまうことになります。

そのため、特に歯科に関しては問題が起こってから対処するのではなく、問題を未然に防ぐための歯科検診をはじめとする「予防歯科」が特に重要視されています。

今回は、歯の定期検診に通う人、通わない人でどのような違いが出てくるのか、ということについてご紹介していきます。

 

1.歯科検診、通う人と通わない人の将来は?

 

1-1歯のトラブルに関して

<歯科検診に通う人>
歯の検診を定期的に受けることで、自分で自覚しないような不具合も、早期に見つけ出すことができ、早めに対処することができます。その結果、虫歯や歯周病が進行して痛みなどのトラブルが起こる前に治しておくことができますし、詰め物や被せ物の劣化に対しても問題が起こる前に対処できるので、歯のトラブルに悩まされることが少なくなります。

<歯科検診に通わない人>
歯や歯茎というのは、ある程度ひどくなってから初めて症状が現れてきます。また、治療をした部分は再発を起こしやすいため、症状が出てから対処するということを繰り返していると、歯のトラブルに繰り返し悩まされる人生になりやすくなります。

 

1-2歯の治療時の痛みに関して

<歯科検診に通う人>
問題が軽いうちにすぐ対処できるので、治療の際に痛みを感じることがほとんどありません。

<歯科検診に通わない人>
痛みなどの症状が出てから対処する場合、炎症が強い状態で治療を受けることが多くなります。炎症が強い部分というのは麻酔が効きづらくなってしまうため、治療の際に痛い思いをしやすくなります。

 

1-3歯の寿命に関して

<歯科検診に通う人>
検診をすることで早期発見、早期治療ができるのと、検診の際にクリーニングなど、予防的治療を行うことで、歯の健康が保たれやすくなり、歯の寿命をできるだけ長くすることができます。

<歯科検診に通わない人>
歯というものは、痛みが出た時点で相当病状が進行している、ということが多く、その段階から治療をしても手遅れ、ということも決して少なくありません。また、周囲の歯も次々に悪くなることもよくあります。その結果、全体的に歯の寿命が短くなる傾向があります。

 

1-4歯にかかる費用に関して

定期的に歯科に通うと、それだけ治療費が多くかかると思われがちですが、検診を定期的に受けた人の方が、そうでない人に比べて治療費が抑えられた、という調査報告も実際にあります。

<歯科検診に通う人>
歯科検診の際にはそのたびに費用は確かにかかりますが、その他の費用はあまりかからないので、大きな出費というのはありません。

<歯科検診に通わない人>
歯のトラブルにかかる治療費、そしてセラミックなどの詰め物や被せ物にかかる費用、歯を失った場合にかかるインプラントやブリッジなどの費用がかかるため、一度に大きな金額がかかってきます。また年数が経つと材料の劣化が起こってくるため、その都度再治療の費用もかかってきます

 

1-5歯科治療に費やす時間に関して

<歯科検診に通う人>
歯科検診は、3ヶ月、もしくは6ヶ月に一度くらいのペースが一般的です。歯を定期的に良い状態に保つことができるので、歯科治療にかかる時間もそれほどかかりません。

<歯科検診に通わない人>
歯にトラブルが起こってから対処する場合、治療内容が複雑になってそれだけ治療時間、治療回数が多く取られてしまうことになります。また、歯の健康が保たれにくいので、トラブルを起こすことも多くなり、その分さらに時間が取られてしまいます。

 

1-6体の健康状態に関して

歯の健康を失われると、歯だけに影響が出るわけではなく、体の健康状態にも影響が出てきます。

<歯科検診に通う人>
歯科検診に通い、歯の健康が保たれますので、歯の健康状態が悪化して体に影響が及ぶ、ということは起こりにくくなります。また、口腔内細菌が良い状態になることで、腸内細菌の状態もよくなり、免疫力向上の効果があります。

<歯科検診に通わない人>
歯を失うことで噛み合わせが狂うと、その影響で頭痛や肩こりといった不調が起こりやすくなります。また、虫歯や歯周病の原因菌が血管などを通して全身にいくと、様々な病気を起こすリスクがあります。口腔内細菌の状態も悪化しやすくなるので、腸内細菌にも影響が及び、免疫力が下がるリスクがあります。

 

2.歯科検診って何をするの?

 

2.歯科検診って何をするの?

 

歯科検診では一般的に次のようなことを行います。

1-1歯の健康状態チェック

虫歯の有無、詰め物や被せ物には問題ないか、歯茎の健康状態チェック、口の粘膜の状態などを全体的にチェックします。また、必要に応じてレントゲン写真を撮影し、骨や歯の内部に問題が起こっていないかどうかのチェックも行います。子どもの場合には、生え替わりの状態や歯並びのチェックも行います。

 

1-2歯のクリーニング

歯磨きをきちんとしていても、歯磨きだけでは落としきれないプラーク(歯垢)や歯石が溜まってしまうため、専用の機械、器具を使い、すみずみまでクリーニングを行います。

 

1-3ブラッシング指導

歯磨きに改善の余地がある場合には、歯の磨き残しの状態を見て、患者さんの歯磨きの仕方の傾向や問題点を分析し、より効果的に磨ける方法、患者さんそれぞれに合った歯磨き方法を指導します。

 

3.歯の定期検診のメリット

 

3.歯の定期検診のメリット

 

3-1歯のトラブルに悩まされなくなる

定期的にお口の管理をすることで、虫歯や歯周病を未然に防げるため、歯のトラブルに悩まされない、穏やかな毎日を過ごせるようになります。

 

3-2 歯をより長持ちさせられる

歯のトラブルが起きにくくなるので、歯が常に健康に保たれ、ご自分の歯をより長持ちさせられます。

 

3-3お口がいつも清潔で口臭が起こりにくい

プロのクリーニングも定期的に受けられるので、お口の清潔が保たれ、口臭も起こりにくく、気持ちの良い毎日を過ごすことができます。また、歯の白さも保たれ、いつもきれいなお口でいられるので、自分にも自信が持てます。

 

3-4体もより健康的になる

お口の健康と体の健康は切っても切れない関係にあります。お口が常に健康になることで、全身の健康状態にも良い影響を与え、結果的に生涯にかかる医療費も安くなるという研究結果もあります。

 

3-5医療費や時間を節約できる

歯のトラブルが起こりにくくなるので、歯の治療にかかる時間も、高額な治療にかかる費用も節約できます。

 

4.まとめ

 

日本では、予防歯科があまり浸透しているとは言えず、歯科検診に定期的に通う人は、まだまだ少数派です。ですが、欧米諸国で予防歯科が浸透している国では、高齢になっても自分の歯を多数維持している人が多く、定期的に歯科に通うことの大事さが一般の人にもよく理解されています。

特に歯医者が苦手な人にとっては、定期的に歯科に通うのは億劫だな、と思われるかもしれません。ですが、こまめに検診、クリーニングなどのケアを受けることで、お口の状態が明らかに改善していきますので、だんだんと、通わないと気が済まない、というようになってくる人が多いようです。

一生にわたり、快適な毎日を送るためにもぜひ、歯の定期検診を受けることをお勧めします。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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