虫歯になりにくいお菓子ってあるの?

甘いお菓子を欲しがるけど、虫歯になるのが気になってどう与えたらいいのか分からない、という親御さんも多いのではないでしょうか。
もちろんお菓子を与えなくて済むのであれば問題ないのですが、全く与えない、というのは難しいものです。
実はお菓子を与える場合でも、お菓子の種類や与え方によって虫歯ができるリスクというのも変わってきます。
そこで今回は、
- 甘いお菓子を食べたら虫歯ができるのか
- 虫歯になりやすいお菓子とは
- 虫歯になりにくいお菓子とは
- 虫歯にならないようにするおやつの与え方
について解説していきます。
虫歯になりやすくなる条件を知ることで、お菓子を食べても虫歯になりにくくすることは可能です。
お子さんを虫歯にしたくない!という親御さんはぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
1.甘いお菓子を食べたら虫歯ができる?
1-1甘いものを食べても必ずしも虫歯になるわけではない
甘いお菓子を食べたら虫歯ができるよ、とよく言われます。
たしかに、甘いものを食べると虫歯ができるリスクは高くなりますが、甘いものを食べたからといってすぐに虫歯になるわけではありません。
実際、甘いものをたくさん食べているのに虫歯にならない人もいれば、それほど甘いものを食べていないのに虫歯になってしまう、という人もいます。
これにはさまざまな条件が関係しています。
1-2「虫歯ができる条件」がそろうとむし歯ができる
甘いものが歯に触れるからと言って虫歯を作るわけではありません。
虫歯ができるのは、口内にいる虫歯菌が口の中に入ってきた糖分を餌にして酸を発生し、それが歯を溶かすことで起こります。
そして、それが実際に起こるかどうかは、次のようなさまざまな要因が重なり合うかどうかで決まってくると言われています。
◆歯が置かれている状況
個人個人が持つ歯の質、歯の形、歯並びの状態、唾液の質や量、といった歯が置かれている状況が、虫歯ができるのに好条件であれば虫歯ができやすくなります。
◆虫歯菌
口内に細菌が多い状態だと、虫歯菌が糖分を餌にして酸を多く作りやすくなります。そのため、歯磨きがしっかりできていない状態だと虫歯のリスクが高くなります。
◆糖分
虫歯菌に頻繁に糖分が供給されると、歯を溶かす酸が作られ続けることになります。
◆時間
上の三つの要因が重なり、それが一定時間続くと虫歯を発生させます。
以上の4つの条件がそろうことで虫歯は発生します。
逆に言うと、甘いものを食べたとしても、上の条件がそろわなければ虫歯になることはない、ということが言えます。
2.虫歯になりやすいお菓子
口の中にいる細菌は糖分を餌にして増殖し、その中の虫歯菌は糖を分解して酸を出すことで歯を溶かしていきます。
虫歯になりやすいおやつというのは、糖分を多く含み、お口の中に長くとどまるものや、歯にくっつきやすく、残りやすいものです。
具体的には、次のようなお菓子は虫歯のリスクを高めます。
2-1口の中に長く残るもの
飴、キャンディ、チューインガム、チューブ入りアイスなど、口の中に長く入れて味わうお菓子はお口の中を酸性にさせ続けてしまいますので、非常に虫歯のリスクを高めます。
2-2歯にくっつきやすいもの
チョコレート、キャラメル、ヌガー、ドライフルーツといったものは糖分が高く、歯にベタッと付着しやすく、歯の表面に残りやすいため、虫歯リスクが高い食品だと言えます。
2-3歯の溝や隙間に残りやすいもの
ビスケット、クッキー、ケーキ、グミ、ゼリーなどは歯の溝、隙間に残りやすく、そのままの状態が続くと虫歯のリスクを高めます。
2-4糖分を含む飲み物
ジュース、ソフトドリンク、乳酸菌入り飲料、スポーツドリンク、砂糖入りのコーヒー、紅茶なども糖分が高く、頻繁に飲むことによって口の中が酸性に保たれやすくなるため、要注意です。
2-5甘くないけど糖質を多く含むもの
甘いものだけが虫歯を作るわけではありません。甘くなくても糖質を多く含む食品、例えば、スナック菓子やせんべいなどにも虫歯のリスクはありますので、ずっと食べ続けるといったことは控えるようにしましょう。
3.虫歯になりにくいお菓子
虫歯になりにくいお菓子は、糖分を含まないもの、含んでもそれほど多くなく、歯にくっつきにくく、口に長く残らないものです。
具体的には次のようなものがあります。リスクが低めとはいえ、糖分を含むものは食べすぎないように注意しましょう。
3-1ナッツ類
くるみ、アーモンド、ピーナッツなどのナッツ類は糖分を多く含まず、歯にもくっつきにくいため、虫歯のリスクを高めにくいと言えます。
ただし、塩がついていたり、硬かったりするため、食べすぎには要注意です。
3-2チーズ
チーズは糖分をほとんど含まず、また、糖分を食べた後に酸性になった口の中をアルカリ性の方向にもっていく働きがあるのに加え、溶け出した歯の表面をチーズに含まれるカルシウムやリン酸で修復してくれる効果も期待できます。
3-3ヨーグルト(無糖)
砂糖を入れていないヨーグルトなら虫歯のリスクは低めで、カルシウムや乳酸菌など、体に良い成分も含まれています。
3-4するめ、小魚
これらは糖分をほとんど含みませんし、カルシウム補給やよく噛むことにもつながるのでおすすめです。
3-5果物
りんごやバナナ、スイカなどのフレッシュな果物は糖分を含みますが、ジュースに比べればかなり虫歯リスクは低めです。
3-6甘みのある野菜
かぼちゃ、さつまいもなどの甘みのある野菜もおすすめです。糖分を含みますが、食物繊維や栄養を豊富に含むので体にも良いです。
3-7キシリトール入りガム、タブレット
キシリトールは食べても酸を作らず、虫歯菌の活動を抑える甘味料です。
ガムやタブレットの形で売り出されており、小さなお子さんにはタブレットがおすすめです。
ただし、量を多く食べるとお腹が緩くなりますので、少量にとどめましょう。
4.虫歯にならないようにするおやつの食べ方はあるの?
おやつで虫歯になりにくくするためには、次のようなことに気を付けてみるとよいでしょう。
4-1食事はしっかり食べる
食事の量が不十分だと、おやつでお腹を満たそうとしてしまいますので、食事はしっかりと食べさせるようにしましょう。
4-2時間を決める、短時間ですませる
甘いものを食べる場合には特にですが、だらだらと与えるのは厳禁で、回数は少なめに、そして時間を決めて短時間で食べ終わるようにしましょう。そうすることによって、唾液が酸性に傾いた口の中を中和、洗浄、再石灰化(虫歯になりかけた歯を修復する働き)してくれますので、虫歯のリスクを下げてくれます。
4-3口の中に長く糖分が残るもの、歯にくっつくものを避ける
飴やガム、キャラメル、チョコレートといった糖分がお口の中に長く残るもの、歯にくっつきやすいものは高リスクなので、なるべくなら与えないようにしましょう。
4-4夕食後には食べない
睡眠中には唾液の分泌が落ち、虫歯リスクが一気に高まります。
寝る前に甘いものを食べると、たとえ歯磨きをしたとしても磨き残しの部分から虫歯になりやすいため、夕食後には甘いものをなるべく摂らせないようにしましょう。
4-5砂糖入り飲料はだらだら飲まない
ジュースやスポーツドリンクは非常に虫歯リスクが高いため、頻繁に飲むことは避け、基本的には、喉が渇いたら水や麦茶などを飲むなどするようにしましょう。
5.まとめ
虫歯になるのを避けるためには、とにかく甘いものや糖質を避けることが重要になってきます。ただ、お子さんが食べたいのに全く与えないというのはストレスとなり、それもよくありませんので、与え方を工夫することで虫歯リスクを下げていきましょう。
味覚が甘いものに慣れていると最初は難しいかもしれませんが、お子さんにきちんと説明をし、続けていくことでだんだんと慣れてお子さんも受け入れられるようになっていきますので、ぜひ実践してみてください。
この記事の監修者

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