インプラント手術後の腫れはいつまで続く?ピークはいつ?
インプラント治療とは、歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、その上に被せ物をして人工歯を回復する治療法です。
このように、インプラント治療は手術が必要な治療であるため、手術をした後には痛みや腫れといったものはどうしても避けて通れない問題です。
痛みに関しては痛み止めを飲むことである程度コントロールが可能でも、腫れについては仕事や買い物、子どもの送り迎えなどといったさまざまな社会生活を送るうえで、特に見た目の問題が気になってしまいますよね。
そこで今回は、
・インプラント手術後の腫れはいつまで続くのか?ピークはいつごろか
・インプラント手術後に腫れる理由と原因
・インプラント手術後に腫れた場合の対処法
・歯科医院に相談したほうがいい目安
といったことについて解説していきます。
インプラント治療をお考えの方で治療後の腫れについて気になっている方はぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
1.インプラント手術後の腫れはいつまで続く?ピークはいつ?
1-1インプラント手術後の腫れが続く期間
インプラント治療では、歯茎を切開し、あごの骨を削ってインプラントを埋め込む必要があります。このようにある程度大きな傷口ができてしまうことになるため、多かれ少なかれ、手術後には反応として歯茎や顔の腫れが起こることは自然な反応であり、避けることはできません。
通常、インプラント手術後の腫れが続く目安は1週間前後です。
ですが、実際は、その方の体質やインプラントを埋め込んだ本数、骨を増やす手術を行ったかどうか、手術後に感染が起こったかどうか、といった要素によっても異なり、長い場合には2週間くらい続くこともあります。
1-2インプラント手術後の腫れのピーク
インプラント手術後の腫れのピークは、手術した2,3日後くらいです。手術当日にはそれほど腫れないので、その後みるみる腫れてくると不安になってしまうかもしれませんが、これは自然な反応なので心配は要りません。
見た目にもわかるくらい大きく腫れることも少なくありませんが、口内の清潔を保ち、処方された抗生剤をきちんと服用することで通常はその後だんだんと落ち着いていきます。
2.インプラント手術後に腫れる理由・原因
インプラント手術後に腫れてしまう理由・原因として次のようなことが挙げられます。
2-1傷ついた組織を修復するための反応
歯茎を切開する、骨を削る、というダメージが組織に加わるため、体は「けがを治そう」と炎症反応を起こし、血流やリンパ液を集めて対処します。その結果、周囲の組織が腫れるという状況が起こります。
2-2 インプラントを埋める本数が多かった
埋め込むインプラントの本数が多い場合、その分炎症反応が起こる範囲が広くなるため、腫れが大きく出やすくなります。
2-3骨移植を同時に行った
埋め込んだインプラントがしっかりと固定されるためには、十分な量や高さの骨が必要になります。もし不十分な場合には、骨を作る材料を移植し、骨のボリュームを増やすという手術も同時に行うことがありますが、やはり手術範囲が広くなるため、その分腫れも大きく出やすくなります。
2-4細菌感染
インプラント手術後に細菌感染が起こってしまった場合、腫れが通常よりも長引く原因となります。
細菌感染を起こす主な原因は、口内のケアが不十分で清潔が保たれなかった、抗生剤の薬をきちんと服用しなかった、タバコを吸った、といったことなどですが、疲労、ストレス、糖尿病により免疫が下がっている場合も感染を起こしやすくなります。
2-5手術後に血流の良くなることをした
手術をした当日から2,3日は、激しい運動、入浴、飲酒といった血流が良くなる行為を控える必要があります。
もしこれを守らない場合、血流が多くなってしまうことで腫れが強く出る恐れがあります。
3.インプラント手術後に腫れた場合の対処法
インプラント手術後に腫れがある程度出るのは正常な反応ですので、それほどひどくなければ様子を見ても大丈夫ですが、もし大きく腫れてしまった、腫れが気になってしまう、といった場合には次のような方法で対処することをおすすめします。
3-1冷やす
腫れが強く出ている場合、腫れている部分を冷やすことで腫れを引かせる効果が期待できます。冷やす血管が収縮し、腫れの原因である体液が溜まるのを抑えることができるからです。
具体的な方法としては、冷やした濡れタオルや市販の冷却シート、保冷剤をタオルでくるんだものなどを使って、腫れている部分を外から冷やしてみましょう。
ただし、冷やし過ぎは腫れている部分を硬くしてしまい、治癒を遅らせてしまう原因となりますので、ずっと冷やし続けることはやめて10分冷やしたら一旦外して、またしばらくしたら冷やす、といった感じで断続的に行うことが大事です。
3-2処方薬をきちんと服用する
手術後は大きな傷口ができている状態となるため、痛みや感染予防のための薬が処方されます。
これらの薬は手術後の痛みや腫れを抑える役割を果たしますので、自己判断でやめることはせず、指示通りに服用するようにしましょう。
3-3傷口を刺激せず、安静にする
手術した部位が気になってしまうかもしれませんが、舌や手などで触れることは避け、歯磨きの際もその部分には触れないように、処方された殺菌作用のあるうがい薬で清潔を心がけるようにしましょう。
もちろん、食事の際には傷口が落ち着くまでは硬いもの、熱いもの、刺激物などは控えるようにしてください。
また、免疫力を高めて治りを早くするためにも、無理をせず、安静にしてゆっくりと休息することも大事です。
3-4血流が良くなることを控える
2の項目でも触れましたが、激しい運動や飲酒、入浴は血流を増やし、腫れをひどくしたり落ち着きにくくしたりする原因になりますので、控えるようにしましょう。
3-5担当医に相談する
上記の対処法を試してもなかなか腫れが引かない、もっとひどくなる、といったことがある場合には、一度担当医に連絡し、指示を仰ぎましょう。
細菌感染が疑われるケースの場合には早めの対処が必要になります。
4.次のような場合は歯科医院に相談しましょう
具体的に、次のような状況が見られる場合には、歯科医院に一度相談するようにしましょう。
4-1腫れがだんだんひどくなる
手術後2,3日を過ぎても、腫れがどんどんひどくなる場合には細菌感染の恐れがあります。
4-2 2週間たっても腫れが引かない
インプラントの本数が多い場合、骨移植をした場合でも、通常は2週間もあれば腫れは落ち着きます。もし2週間を過ぎても腫れが引かない場合には細菌感染を起こしている可能性があります。
4-3膿、発熱、強い痛みがある
傷口から膿が出てきていたり、強い痛みが続いていたり、高熱が出たりといった症状がある場合にも細菌感染の疑いがあります。
5.まとめ
インプラント手術後は、2,3日くらいが腫れのピークとなりますが、通常は1~2週間前後で落ち着いてくることがほとんどです。
インプラント手術後を快適に、トラブルなく過ごすためにも、インプラント部位は刺激せず、口内を清潔に保ち安静に過ごす、また処方された薬は正しく服用するようにしましょう。
腫れは治っていくための生体の正常な反応ですから、腫れそのものを全く出ないようにすることはできません。
そのため、インプラント手術後は大事なイベント、予定などは入れず、傷口を回復させることに集中して安静に過ごすようにしましょう。
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