親知らずを放置すると口臭がキツくなる理由とは?

「どんなに頑張っても身近な人に口臭を指摘される」
このようなお悩みはありませんか?
口臭の原因にはいくつかありますが、その原因の一つに「親知らず」が関係していることがあります。
親知らずは「痛み」や「腫れ」の原因になることはよく知られていますが、実は強い口臭の原因になっていることも少なくありません。
もし、なかなか解決しない口臭がある、ひどい口臭が取れない、という方は、ひょっとしたら親知らずを疑ってみたほうがいい場合があります。
今回は、
・親知らずが原因で口臭が発生しやすくなる4つの理由
・強烈なニオイの正体
・親知らずを放置することで起こる他のリスク
・歯科医院でできる解決法とメリット
について解説していきます。
原因不明の口臭でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
1.親知らずが原因で口臭が発生しやすくなる4つの理由
親知らずがあると、次のようなことが起こりやすいため、悪臭を放ちやすくなります。
1-1親知らず周囲の磨き残しによる悪臭
親知らずは「第三大臼歯」と呼ばれる前から三番目の大きな奥歯で、かなり奥の位置にあります。
そのため、あまり意識せずに磨いていると、歯ブラシが当たっていないことも多く、磨き残しによって出た食べカスの腐敗臭や、細菌の塊である「プラーク」が悪臭を放つ元になります。
1-2親知らずの歯茎の深い溝に溜まった細菌
親知らずは他の歯と違い、きちんと生え切らずに中途半端な状態で止まっていたり、まっすぐ生えずに斜めや横向きに埋まっていたりすることが多いものです。
このような状態だと、歯と歯茎の間の溝が深くなり、その部分が細菌のたまり場になってしまいます。
口の中には様々な細菌がいますが、溝の奥など、空気の少ない場所を好む細菌は悪臭を放つことが多いため、それが悪臭の発生源になります。
1-3親知らずや、その前の歯にできた深いむし歯
親知らずは磨き残しが出やすいため、むし歯リスクも高くなります。
磨き残しが放置されることで、親知らず自体はもちろんのこと、親知らずに接触している手前の歯にもむし歯を作りやすく、むし歯が深くなるとその部分に細菌が繁殖して悪臭を放つ原因になります。
1-4親知らず周囲に溜まった膿(智歯周囲炎)
親知らず周囲は「不潔になりやすい」「親知らず周囲の歯茎の溝が深くなりやすい」といった理由から、歯茎の炎症「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」が起きやすくなります。
智歯周囲炎が起こると、壊死した組織や膿が溜まりやすいため、悪臭が発生しやすくなります。
2. 強烈なニオイの正体は?
口臭といっても色々なニオイがありますが、親知らずが原因で発生する口臭は強烈なニオイになりがちです。
このような強い口臭の主犯格は、細菌が作り出すガス「揮発性硫黄化合物(VSC)」で、
口内の細菌が食べかすや剥がれ落ちた粘膜、血液成分などを分解する際に発生します。
代表的なものには次の三つがあります。
・硫化水素(卵が腐ったニオイ、おならの匂い)
・メチルメルカプタン(腐った玉ねぎのような匂い)
・ジメチルサルファイド(生ごみのような匂い)
これらの悪臭物質を作り出す細菌の多くは、酸素を嫌う「嫌気性菌」で、
「一番奥にある」「歯茎がかぶさっていることが多い」親知らずは、嫌気性菌の格好の住処となるため、悪臭を発生させやすいのです。
これに加えて、智歯周囲炎で膿が出ていたり、進行したむし歯で穴が空いて内部に細菌が繁殖していたりすると、「ドブのようなニオイ」の、さらに強い悪臭が放たれることになります。
3.親知らずを放置することで起こる口臭以外のリスク

すべての親知らずが口臭を引き起こすわけではありません。
きちんとお手入れがされていて、細菌が溜まりやすい状況でなければ口臭などの問題も起こしません。
ただし、ひどい口臭を起こすような親知らずを放置すると、次のような二次的なリスクもありますので注意が必要です。
3-1むし歯による激痛
きちんと歯磨きができていない、親知らずの状態的に歯磨きが難しい、というような状態を放置していると、むし歯が悪化して重症化し、神経に達して激痛を起こす恐れがあります。
3-2智歯周囲炎の悪化
一度智歯周囲炎を起こすと、何度も繰り返しやすい傾向があります。
智歯周囲炎がひどくなると、歯茎だけでなく顔まで腫れ上がり、口が開きづらくなる、リンパ腺が腫れる、強い痛みが出る、といった症状が出ることもあります。
また、その部分だけにとどまらず、周囲組織にまで感染が広がり、強い発熱や首の腫れ、全身倦怠感などを伴い、入院治療が必要になることもあります。
3-3手前の歯にむし歯・歯周病を起こす
親知らず周囲に細菌が溜まりやすいと、親知らずの手前の歯にも影響は及び、むし歯や歯周病を引き起こして、手前の歯のトラブルや、歯の寿命を縮める原因にもなります。
3-4歯並びの悪化
親知らずの生え方によっては、手前の歯に力をかけてしまい、歯並び全体が動いて前歯が重なるといった状況を招くこともあります。
4. 歯科医院でできる解決法とメリット

親知らずが原因の口臭がある場合、歯科医院では次のような解決法があります。メリットともに見ていきましょう。
4-1ブラッシング指導
単に親知らず周囲の歯磨きの仕方に問題がある場合には、歯科医院で正しいブラッシング方法の指導を受け、実践するだけでもセルフケアの質が向上し、口臭を改善できる可能性があります。
<メリット>
正しい方法でブラッシングができるようになることで、口臭のみならず、親知らずのむし歯や歯周病を防ぎ、周囲の歯まで健康に保ちやすくなります。
4-2定期的なクリーニング
セルフケアでは磨き切れない部分も、歯科医院の専用の機械や器具を使えば汚れをかなり取り除くことができます。
<メリット>
定期的に細かい部分や入り組んだ部分まで徹底的なクリーニングを行っておくことにより、汚れの蓄積を防ぎ、口臭やむし歯・歯周病を予防できます。
4-3親知らず部分の洗浄・消毒
親知らず周囲に炎症が起こっている場合、歯茎の内部に溜まった細菌や膿を洗い流し、消毒することで炎症を鎮めることができ、口臭も改善されます。
<メリット>
生え切るまではどうしても汚れが溜まりやすく口臭を起こしやすい親知らずでも、その都度洗浄・消毒することで、抜歯をせずとも口臭を改善し、全部生えるまで様子を見ることができます。
4-4抜歯
・生え方に問題のある親知らず(中途半端な位置から出てこない、斜め・横向きに生えている)
・重度のむし歯や歯周病になっている親知らず
・歯並びを乱す原因になっている親知らず
の場合、親知らずの抜歯が必要です。
<メリット>
問題を引き起こしている親知らずを抜くことで、根本的な解決につながります。
5.まとめ
親知らずは位置的な問題、生え方の問題によってキツい口臭を起こす原因になりやすい歯です。
そのため、なかなか改善しない口臭があるならば、一つの可能性として親知らずを疑ってみるといいかもしれません。
もし親知らずから強い口臭が出ている場合、その背景には、「そのニオイを発生させる細菌が増殖している」、という現実がありますので、放置をせず、まずは歯科医院でどのようなことが原因となっているか、確認してもらうようにしましょう。
その上で親知らずに対して口臭の改善方法を含め、対処法について専門家の意見を聞き、放置せずにしっかりと治療・対処していくようにすることをおすすめします。
この記事の監修者
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