5歳までの食卓で決まる!きれいな歯並びと、しっかりかめる強いあごの作り方

5歳までの食卓で決まる!きれいな歯並びと、しっかりかめる強いあごの作り方
毎日の献立、食べやすいもの、やわらかいものばかり選んでいませんか?
忙しい毎日、お子さんが嫌がらずに食べるハンバーグやカレーライス、麺類、レトルト食品など、ついついやわらかい食品に頼ってしまいがちですよね。

ですが近年、親が「食べやすさ」を優先してしまった結果、現代の子どもたちのあごは昔に比べてどんどん退化している傾向にあります。

「しっかりかまない食事」が当たり前になると、それはあごの成長や歯並びに影響を与え、将来的にお子さんの歯並びや顔の形を悪くしてしまうこともあるのです。

乳幼児期に「きちんとかむ習慣」をつけることは、一生の宝物となるきれいな歯並びや骨格、健康な体を作るための土台にもなるもの。

今回は、5歳までに身につけたい「かむ力」を育てるコツや、かむ力を妨げるNG習慣などについてもご紹介します。

小さなお子さんのいる親御さんはぜひ参考にしてみてくださいね。

 

1.なぜ今、乳幼児の「かむ力」が重要と言われている?

 

「かむ」ことは、単に「食べ物を細かくして飲み込みやすくする行為」だと捉えられがちですが、実はそうではありません。

特に、乳幼児期の発育途中の段階では、しっかり「かむ」ことが将来の体の発達にとってとても大切なものになってきます。

 

1-1栄養状態に影響する

よくかむことで食べ物が細かくなり、消化吸収が良くなります。その結果、栄養をしっかりと取り込めるようになりますので、順調な成長発育や将来の健康な体作りにつながります。

 

1-2むし歯リスクを下げる

しっかりかむと、唾液腺が刺激されてたくさん唾液が出ますので、お口の中を洗い流す作用が働き、むし歯のリスクが下がります。

 

1-3あごや歯の成長を促す

かむことで筋肉が働き、それによって正常な骨の成長や歯並び作りにつながっていきます。とくに乳幼児期は骨格が急激に変わっていきますので、この時期の食生活により顔の形なども左右される可能性があります。

 

1-4脳の発達に関係する

よくかむことで脳の血流が増えますので、脳の発達や集中力向上につながっていき、学業や進学、将来の職業など、さまざまな面においてポジティブな影響を与えます。

→離乳食と口腔発達(小児科 60巻12号)

 

2.かむ力を育てる「食材選び」と「調理のコツ」

2.かむ力を育てる「食材選び」と「調理のコツ」

「かむ力」を強くする、というと、「硬いものを食べさせればいい」と思われがちです
ですが、かむ力を育てるのに大事なのは、単に「硬いもの」ではありません。

大切なのは、「何度もかまないと飲み込めない」食材、「前歯でかみ切り、奥歯ですり潰すという動作をきちんと行える」食材を取り入れることや、調理の工夫をすることです。

どのような食材が良くて、どのような調理をすればいいのか、実際に具体例を見てみましょう。

 

2-1かむ力を育ててくれるおすすめ食材

前歯を使ってかみ切り、奥歯ですりつぶす必要のある食べ物、何度もかまないと飲み込めない食べ物の例としては次のようなものがおすすめです。

・硬めに炊いたご飯、玄米、雑穀ご飯
・フランスパン
・生野菜
・りんご、ナシ
・キノコ類
・こんにゃく
・とうもろこし(芯つき)
・切干大根
・ごぼう
・えだまめ
・干し芋
・するめ

 

2-2かむ力を育てる調理の「ひと工夫」

同じ食材であっても、調理法によって食感は違ってきます。
かむ力を育てるためには、次のような工夫をしてみるとよいでしょう。

◆野菜、果物の切り方を工夫する
スティック状や乱切りにするなど、少し大きめ、長めにカットしてみると、食べる際にかみ切る動作が必要になり、上あごを広げる刺激になります。

また、繊維の多い野菜の場合は、繊維に沿って切ることで、より「かむ」動作を引き出します。

◆加熱時間を少しだけ減らす
野菜を茹でる、煮る、といった場合も、くたくたになるまで火を通すよりも、歯ごたえを残す程度で加熱を切り上げるのが効果的です。

◆汁物の具を大きくする
スープやみそ汁の中の具も、水分で飲み込める大きさではなく、あえて大きめにカットしておくことで、かむ動作を引き出します。

◆肉も小さく切り過ぎない
ひき肉や薄切り肉だけでなく、ブロック状など、塊にすることでかむ必要性を与えます。

→噛む力(咀嚼力)が弱くなると老ける!見た目にも健康にも影響するその理由とは!?

3.年齢別:ステップアップ・トレーニング

 

乳幼児の段階というのは、年齢によって歯の生えている状況が異なるので、かむのに適した食材や食べ方というのももちろん違ってきます。

お子さんの成長に合わせてかむ力を徐々にステップアップできるよう、具体例を挙げてみますので、ぜひとも参考にしてみてください。

 

3-1離乳食完了期(1歳〜1歳半):前歯でかじる練習

この時期はまだ奥歯も生え揃っていないので、前歯でかじる基礎を作っていきましょう。
おすすめの食べ物はスティック野菜(にんじん、大根)やバナナ、細長く作ったおにぎりなどです。

このような食材で、ガブッとかみ切る練習をしていくと同時に、一口で食べる適切な量を学んでいきます

 

3-2幼児期前半(2歳〜3歳):奥歯ですり潰す力を鍛える

乳歯の奥歯が生え揃ってくるため、奥歯ですり潰す力を鍛えていきましょう。
弾力のあるものを積極的に食べ、かむ筋肉を鍛えていきます。

食べ物としては、厚揚げ、肉団子、キノコ類、切干大根、小さく切ったゆでダコ、などがおすすめです。

 

3-3幼児期後半(4歳〜5歳):さまざまな「食感」を経験させる

永久歯への生え変わりに向けてさまざまな食感の食べ物を経験させ、かむ力を強化、あごの成長、永久歯の健全な歯並びにつなげていきます。

少し硬めの干物(干し芋、するめ)、ナッツ類などにも挑戦するなど、かむことが当たり前になる習慣をつけていきましょう。

→乳幼児期の口腔機能の発達 小児保健協会オンラインジャーナル

 

4.歯科医が教える「かむ力」を妨げるNG習慣

4.歯科医が教える「かむ力」を妨げるNG習慣

普段何気なくやっていることが、あごの発達を邪魔しているかもしれません。
次のような行動はかむ力を弱め、正常な歯並びやあごの発達から遠ざけてしまう可能性があるため、今すぐにでもやめさせるようにしましょう。

 

4-1食事中に水分をとり過ぎる

食事中に頻繁に水を飲んでいる場合、きちんとかみ砕かれていないのに飲み物で流し込んでいる可能性があります。

飲み物は食べ終わってから飲ませるか、しっかりかんで飲み込んだ後に飲ませるようにしましょう。

 

4-2足がつかず、ぶらぶらさせている

椅子に座って食べている場合、足がつかずにぶらぶらさせた状態になっていることがあります。このような状態ではふんばりがきかず、かむ力が十分に発揮できない可能性があるので、足をのせられるものを設置するようにしましょう。

 

4-3動画を見ながら食べている

テレビやタブレットで動画を見ながら食事をしている人は多いと思います。テレビを見るために横を向いて食べると片側だけでかむことを招き、あごの成長や歯並びに悪影響を及ぼしやすくなります。

また、動画に夢中になってかむことがおろそかになり、丸飲みする原因にもなります。

 

5.まとめ:まずは一つでも始めてみましょう

 

「よくかむことが大事」ということは、おそらくほとんどの方はご存じだと思います。ですが、実際それが分かっていても、なかなか「30回かむ」などということを実践・継続できる人はなかなかいないのではないでしょうか。

ましてや、小さなお子さんに「よくかんで食べなさい」と言っても、お子さんがそれを実行するのは難しいでしょう。

そこで今回ご紹介した、食材選びや調理法の工夫をすることで、特に意識をしなくとも、自然に「よくかむ」ということが身についていきますので、最初はぜひ一つでもいいので、取り入れてみてください。

このような工夫が後になってお子さんのお口の健康、健やかな体作りにつながっていきますよ。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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