口内炎がある時の食事、避けるべき食べ物と摂りたい栄養素

口内炎がある時の食事、避けるべき食べ物と摂りたい栄養素
 

疲れが溜まっている時、体調不良、ストレスが溜まっている時に起こりやすい口内炎。矯正治療中やがん治療している場合にも口内炎はできやすいものです。口内炎ができると、いろんな食べ物がしみてしまい、苦痛に感じてしまうので、栄養不足も心配です。

 

通常の口内炎の場合、できたとしても10日前後で治ってしまいますが、苦痛をなるべく感じないために、悪化させて長引かせないために、そして早く治すために、どんなものを食べるかというのは非常に重要になってきます。

 

そこで今回は、口内炎がある時におすすめの食べ物、避けた方がいい食べ物、治りを早くするために積極的に補給したい栄養素、そして、医療機関を受診した方が良い目安などについてご紹介していきます。

 

1.口内炎が痛いときにおすすめの食べ物

 

通常、炎症が起こっている部分というのは、なるべく刺激をしないのが一番なのですが、生きるエネルギーを得るためにも、口内炎を早く治すためにも、食事をしないわけにはいきません。

 

そのため、口内炎が痛い時には、なるべく痛みを感じずに食べられるものをとるようにしましょう。

 

具体的には、あまり噛まずに飲み込めるもの、やわらかいもの、なめらかな食感のもの、水分を多く含むもの、味付けの薄いもの、酸味のないものだと食べやすいでしょう。たとえば、おかゆ、おじや、豆腐、煮込み料理、茶碗蒸し、あんかけ、スープ、バナナ、ゼリー、などのようなものですが、温度、塩分や酸味には十分注意しましょう。

 

また、口の中が乾き気味の人は、粘膜が唾液によって保護されていない状態なので、刺激を直に受けやすくなっており、より痛みを感じやすいため、食べる前には、まず水やお茶などで口の中を湿らせておくと良いでしょう。

 

2.口内炎が痛いときに避けたほうが良い食べ物

 

2.口内炎が痛いときに避けたほうが良い食べ物

 

口内炎というのは、口の粘膜に潰瘍ができている状態です。そのため、口内炎部分は敏感で、すぐに痛みを感じやすいので、固形物や痛みを引き起こすような味、温度には気をつけ、粘膜の修復に働く栄養素を消費しないようなものを選ぶ、といったことに注意する必要があります。

 

2-1固いもの

口内炎に触れて痛いような固形物はもちろんですが、何度も噛む必要のあるものは咀嚼するたびに痛みが出やすいので、そのようなものも避けましょう。

 

2-2辛いもの

辛いカレーやラーメン、キムチ鍋、韓国料理、タイ料理などは、口内炎の部分に痛みを引き起こし、粘膜も荒らし、治りを遅くしてしまう可能性もありますので、避けましょう。タバスコや唐辛子を料理にかける習慣がある人も、口内炎ができている時にはやめるようにしましょう。

 

2-3極端に熱いもの・冷たいもの

スープや麺類、特に熱いものは痛みを感じやすいため、急いで食べず、できるだけさましながら食べるようにしましょう。

 

2-4味の濃いもの

塩分が強く、味が濃いものは口内炎を刺激します。そのため、塩分の強いもの、ソース、ケチャップ、またはそれらの調味料で味付けした食べ物はなるべく控えるようにしましょう。

 

2-5甘いもの

砂糖を多く摂ると、砂糖の分解時に、粘膜の修復をするために必要なビタミンB群をたくさん消費してしまうと言われています。そのため、治りを悪くしないためにも甘いおやつや飲み物などはなるべく控えることをおすすめします。

 

2-6 酸味のあるもの

酸っぱいものはかなり口内炎を刺激します。特にトマトや酢の物、レモンなどの柑橘系、梅干し、ドレッシングはしみやすいので注意しましょう。

 

2-7炭酸飲料

炭酸飲料は粘膜を刺激し、口内炎の部分は強い痛みを感じ、口内炎を悪化させてしまう恐れがありますので、極力控えるようにしましょう。

 

2-8アルコール類・タバコ

アルコールは、分解される際にビタミン類を多量に消費してしまいます。また、ビールやスパークリングワインなどの炭酸が入ったアルコール飲料は、さらに粘膜を傷つけてしまう恐れがあるため、注意しましょう。

 

タバコは食べ物ではありませんが、タバコは、血液の流れを悪くし、組織を酸欠状態にしてしまい、粘膜の治りを悪くしてしまいますので、口内炎が治るまでは控えるようにしましょう。

 

3.口内炎のときに摂りたい栄養素

 

3.口内炎のときに摂りたい栄養素

 

口内炎ができた時には、なるべく治りを早める栄養素を積極的に摂取したいものです。栄養素はバランスよく取ることが大事ですが、口内炎を早く良くするためにメインでとりたいのは、粘膜の健康維持に働くビタミン類や、新陳代謝を高める亜鉛です。

 

摂取したいビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB群(B2,B6)、ビタミンCですが、その中でもビタミンB2、B6は、不足すると粘膜トラブルを起こす原因となるので、食事から意識して摂るのに加え、市販のビタミン剤をプラスするとより効果が期待できるでしょう。

 

3-1ビタミンAを含む食品

レバー類、牛肉、うなぎ、アナゴ、卵黄、バター、海苔、にんじん、わかめ、ほうれん草、ひじき、しそ、春菊、モロヘイヤなど

 

3-2ビタミンB2、ビタミンB6を含む食品

レバー類、たまご、納豆、卵、キノコ類、はちみつ、チーズ類、海苔、わかめ、たまご、マグロやカツオ、アボカド、ごま、ニンニク、バナナ、キャベツ、ジャガイモなど

 

3-3ビタミンCを含む食品

柑橘類、イチゴ、キウイ、アセロラ、ブロッコリー、カボチャ、ジャガイモ、サツマイモ、ピーマン、ブロッコリー、緑茶など

 

3-4亜鉛を含む食品

牡蠣、レバー、牛肉、鶏肉、煮干し、ココア、海苔、干し椎茸、松の実、ごま、卵、チーズ類、たらこ、かになど

 

4.こんな症状になったら病院にかかりましょう

 

口内炎は特に珍しいものでもなく、多くの人が人生に一度は経験するものです。できやすさには個人差があり、頻繁にできる人、時々できる人も珍しくありません。

 

口内炎自体は、症状は辛いものの、命に関わるものでもなく、自然に治るのでわざわざそのたびに歯医者にかかる必要はありません。ですが、中には、口内炎と似たような症状を出す違う病気もあるため、注意が必要です。

 

そのような場合には、放置をして適切な対処をしないと、病状が進行したり、命に関わってしまったりすることもあるため、その見極めのポイントを知っておくことはとても大事です。

 

もし、次のような症状が見られる場合には、自己診断をせず、医療機関にかかることをお勧めします。

  • 2週間以上経っても治る気配がない
  • 痛みをあまり感じない
  • 舌に痺れやしこりがある
  • 口内炎のところから出血する
  • 周囲との境界線がはっきりしない
  • たくさんできている
  • 体の他の症状も併発している

 

口内炎と見極めが必要な病気としては、口腔がん、ウイルス感染症、性感染症、ベーチェット病などがあります。このような病気は、普通の口内炎とは明らかに違う症状も出てきますので、何かおかしいと感じたら、迷わずに歯科医院などの医療機関を受診することをお勧めします。

 

5.まとめ

 

口内炎ができている間というのは、痛みが辛く、食べることも喋ることもままならないので、気分も落ち込みがちです。通常の口内炎ならば自然に治りますが、どうしても辛い場合には、歯科医院で口内炎に対する処置を受けることで、症状を楽にすることができるので、受診してみると良いでしょう。

 

ですがやはり、治りを早めるためにも、食事内容、栄養状態には注意を払うことが大事ですし、免疫力を回復するために、体をゆっくり休養させることも忘れてはなりません。

 

口内炎でお困りの方は、ぜひ今回の内容を参考にしていただき、辛い口内炎を早く乗り切っていきましょう。

 

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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