インビザラインをおすすめしないケースとは?

インビザラインをおすすめしないケースとは?
インビザラインに興味をお持ちの方は、インターネットでインビザラインに関する情報をいろいろと検索していることでしょう。ですが、情報の中には、「インビザラインをおすすめしない」という記述があり、気になっている方もいるのではないでしょうか。

 

今回は、なぜインビザラインをおすすめしないという意見があるのか、その理由について、そしてインビザラインをおすすめしないのはどんなタイプの人か、インビザラインが困難なケースとはどのようなものか、についてご紹介していきます。

 

1.「インビザラインはおすすめしない」と言われる理由

 

インビザラインはおすすめしない、という意見としては、誤解や単にその人に合っていない場合というのが多いようです。主に次のような場合に、「おすすめしない」と言われているようです。

 

1-1装着時間が十分でなく、効果が下がっている

インビザラインは、患者様ご自身でつけ外しをする装置を使用するため、ご自身での管理が治療の結果に直結します。基本的には食事と歯磨きの時以外には常時装着することが必要で、時間としては1日に20~22時間の装着が必要となりますが、実際には毎日それが守れないという方も少なくありません。

 

このように、装着時間が不十分だと、その分治療効果が出なくなってしまいますので、「歯並びがなかなか改善しない」と思われてしまうことがあります。

 

1-2治療期間が長引いている

インビザラインの治療期間は、平均的には、ワイヤー矯正と同等の期間、もしくは症例によってはもっと短縮できる場合もあります。ですが、それぞれの方の取り組み方や、症例によっては、治療期間が長引いてしまうことがあります。

 

そのため、思っていた期間よりも長引いてしまうと、結果的に後悔するということにもなりかねません。

 

1-3適応症例から外れてうまくいかなかった

インビザラインには、得意とする症例、そうではない症例があります。

 

具体的には、骨格的なずれが大きなケースや、歯の移動量が大きいケースの場合、インビザラインでは対応が厳しくなり、うまくいかない場合があります。

 

1-4虫歯・歯周病が悪化した

インビザラインは、取り外して食事や歯磨きができるので、ワイヤー矯正と比べて虫歯や歯周病のリスクは低いのですが、それで油断してしまい、歯磨きが十分にできていない状態でマウスピース装置をつけてしまう、ということがあるようです。

 

ですが、マウスピースを装着すると、唾液の自浄作用が歯に行き届かなくなるため、汚れが取りきれていないと虫歯や歯周病を発症、もしくは悪化させてしまうことがあります。

 

1-5飲食が思うようにできなかった

ワイヤー矯正の場合、装置をつけていても飲食できますが、インビザラインの場合には、装置がついている間には、水以外は口の中に入れるのを避けなければいけません。

 

そのため、お茶をする、間食する、ということが気軽にできずにストレスになってしまう人もいるようです。

 

2.インビザラインをおすすめしないタイプはどんな人?

 

2.インビザラインをおすすめしないタイプはどんな人? 

 

2-1自己管理ができない人

インビザラインは、自己管理ができることが大前提となる矯正治療です。そのため、次のことが守れない場合にはうまくいかない可能性がありますので、おすすめできません。

 

◆装着時間が守れない
インビザラインをする場合、マウスピース装置を1日のほとんどの時間つけていなければなりません。食事の時には外し、食べた後は歯磨きをしてすぐに装着する必要がありますので、これが難しい場合にはおすすめできません。

◆正しい装着方法を守れない
インビザラインのマウスピースは、段階的に交換しますが、次の段階のマウスピースは、歯が移動した状態を想定して作られています。そのため、つけ初めの段階では、あまり適合がよくなく、しっかり装着するためにチューイーというものを噛んで装着していただく必要があります。これができない場合、治療効果が落ちてしまいます。

◆定期的に交換ができない
マウスピースは、定期的に次の段階のマウスピースに取り替える必要がありますが、このタイミングを忘れてしまうと、その分治療期間が延びてしまいます。

◆歯磨きがきちんとできない
インビザラインの場合は、歯磨きをする際に装置が邪魔にならないのでワイヤー矯正と比べて虫歯や歯周病のリスクは低いですが、きちんと歯磨きができていなければやはりリスクは生じます。

 

2-2通院が困難な人

インビザラインはワイヤー矯正と比べて通院回数は少なめですみますが、定期的に通院していただく必要があります。転居や多忙などにより、これができない場合には治療開始はおすすめしません。

 

2-3歯並びの不正が大きい人

インビザラインは、進化を続けており、過去に比べて治療可能な症例が広がってきてはいますが、やはり歯並びの不正の程度が大きい場合には、治療が困難になる場合があります。

 

治療が可能かどうかは、担当医が精査して判断しますが、難しいと判断される場合には、他の方法をお勧めします。

 

2-4虫歯や歯周病のトラブルが多い人

インビザラインのマウスピースは、最初に型を採取して、治療に必要なマウスピースを一度に作製します。

 

もし、治療の途中で虫歯や歯周病のトラブルが起こってしまうと、治療を中断せざるを得なくなったり、もしくは、詰め物や被せ物によって歯の形が変わってマウスピースが合わなくなったり、ということになりかねません。

 

2-5歯ぎしり・食いしばりがひどい人

歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、その非常に強い力によってマウスピースに穴が空いてしまうことがあるため、程度によってはおすすめしない場合があります。

 

3.インビザラインをすること自体が困難なケース

 

3.インビザラインをすること自体が困難なケース

 

3-1重度の歯周病がある人

インビザラインに限らず、矯正治療では、歯に力をかけて動かしていきます。その際、重度の歯周病になっていて骨の支えが少ない場合、歯が抜け落ちてしまうリスクがあります。

 

そのため、歯周病がある場合には矯正治療を行う前にしっかりと治療をしておく必要がありますが、治療をしても十分に回復の見込みがない場合には、矯正治療自体できないこともあります。

 

3-2重度の不正咬合

重度の出っ歯、受け口、叢生(ガタガタに重なっている歯並び)の場合、抜歯をして歯を移動する距離が大きくなる、もしくは骨格的な異常があり、顎の骨を切って矯正する「外科矯正」というものが必要になることもあります。

 

そのため、インビザラインだけで治療を行うのは非常に困難です。

 

3-3インプラント・ブリッジが入っている場合

インプラントは矯正治療で動かすことができません。ブリッジも複数の歯が固定されているため、そのままでは動かすことができません。

 

インプラントやブリッジが入っている状態でインビザラインをしたい、という場合には、インプラント以外の歯を動かす、ブリッジを外して行うなどといった対処ができるケースもありますが、担当医とよく相談する必要があります。

 

4.まとめ

 

インビザラインは、だんだんと適応症例も広がり、多くの人に受けていただくことが可能になっていますが、やはり、向いているケース、そうでないケースというのはあります。

 

インビザライン治療を検討している方は、まずはご自分にあった治療法であるかどうかというのをよく知った上で検討していただき、矯正歯科医に相談してみることをおすすめします。インビザラインが向かない場合には、ワイヤー矯正での治療の選択肢がありますし、ワイヤー矯正でも目立たない方法というのはあります。

 

ご自分に合った矯正方法で、健康で美しい歯並びを手に入れましょう!

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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