子どもの歯並びを良くする方法!!!予防方法はあるの?

子どもの歯並びを良くする方法!!!予防方法はあるの?
お子さんをお持ちの方にとって、お子さんの歯並びというのは、とても気になることの一つだと思います。

歯並びは遺伝が関係している部分もありますが、実際は生活習慣や食習慣などによって作られることも非常に多いものです。

歯並びが悪くなってからでも矯正治療をすることで歯並びを整えることは可能ですが、歯並びを良くする方法、悪くしない方法を実践することで、将来的に矯正治療をしなくて済む可能性もあります。

そこで今回は、子どもの歯並びを良くする方法、悪くしない方法について、詳しくご紹介していきたいと思います。

 

1.子どもの歯並びをよくするための方法

 

歯並びを良くするためには、成長発育に伴う骨格の形成もうまく行われることが大事です。
そのためには、成長段階に応じた対策をしていきましょう。

 

1-1 乳幼児期(0~2歳くらいまで)

◆母乳育児をする
母乳育児により、鼻呼吸をすることができるようになり、舌の正しい位置の獲得、口周辺の筋肉の発達が期待でき、骨格や歯並びが正常に作られるようになります。

◆うつ伏せ寝をさせない
うつ伏せ寝は安全面においても問題がありますが、顔の骨格の歪みにもつながります。

◆前歯・奥歯で正しく噛ませる
離乳食が始まったら、前歯と奥歯で噛めるようにして、筋肉や骨格の健全な発育を促します。

 

1-2 幼児期(3~5歳くらいまで)

◆食事の際の姿勢をしっかりさせる
食べるときの姿勢は顎の発育にも関係します。食事の際に椅子に座る場合には足をぶらぶらさせず、足をしっかりと置ける状態にしましょう。

また、テレビを見ながら横向きで食べるというような姿勢は、片噛みの癖をつけやすくなることもあり、骨格や歯並びを悪くしてしまう可能性があるので、こちらも注意しましょう。

◆口を閉じてしっかりと噛ませる
口を閉じてしっかりと噛んで飲み込ませることで、噛む筋肉の発達、顎の発達がうまく行われるようになります。噛みごたえのあるものも食事に取り入れ、よく噛む癖をつけていきましょう。

◆鼻呼吸をさせる
鼻で呼吸せず、口呼吸になっていると、骨格や歯並びの形成に異常をきたすことがあるため、口呼吸をしている場合には早めに治していきます。

◆反対咬合への対処
反対咬合(受け口)がある場合には、この時期から対処を開始する場合があります。

◆指しゃぶり・おしゃぶりの中止
指しゃぶりやおしゃぶりの習慣がある場合には、この時期に徐々にやめさせていきます。

 

1-3 小学生期(6~11歳)

◆歯並びを悪くする癖を治す
舌を突き出す癖、唇を噛む癖、爪を噛む癖、頬杖、うつ伏せ寝などの口周辺に力のかかる癖は骨格や歯並びを乱す原因となるため、早めにやめさせるようにします。

◆口呼吸を治す
口をぽかんと開けている場合、口呼吸をしている可能性がありますので、早めにやめさせるようにし、本来の鼻呼吸に戻していきましょう。この時期の口呼吸は特に、アデノイド様顔貌と呼ばれる骨格の変形につながることもあるため、十分に注意が必要です。

◆姿勢を正す
ゲームやスマホ、テレビに熱中して姿勢が猫背になりがちなので、姿勢を正すようにします。食べる時の姿勢も幼児期同様、正すようにしましょう。

◆よく噛ませる
生野菜、玄米など、よく噛む必要のある食材を取り入れるなどして、しっかりと噛む習慣をつけることも大事です。

◆小児矯正の開始
ケースバイケースですが、この時期から非抜歯で矯正治療を行う小児矯正治療をスタートできます。

 

1-4 中学生期(12~14歳)

◆歯並びを悪くする癖に引き続き注意
歯並びを悪くする口周辺の癖、頬杖、うつ伏せ寝、そして口呼吸には引き続き注意を払い、行わないようにしていきます。

◆ワイヤー矯正の開始
顎の成長は15~16歳くらいまで続くので、歯並びに問題がある場合には、この時期にワイヤー矯正を始めることで、非抜歯で矯正ができる可能性があります。

 

2.子どもの歯並び・悪くならないための予防方法は?

2.子どもの歯並び・悪くならないための予防方法は?

 

2-1歯科で定期検診を受ける

子どもは虫歯になりやすい、生え替わりや顎の発育が盛ん、などの理由から、歯科での定期検診は、一般的には3ヶ月ごとくらいの短い間隔で受けることが勧められます

こまめな間隔で虫歯や歯並びをチェックしてもらうことで、異変を早期に発見、早めに問題解決ができます。

歯並びに問題が出そうな場合には、お口周囲筋肉の機能訓練のトレーニングを受けたり、場合によっては早めに矯正治療を開始したりということが可能になりますので、より確実に歯並びが悪くなるのを防ぐことができます。

 

2-2乳歯を虫歯にしない・放置しない

「乳歯に虫歯があっても、いずれ永久歯に生え変わるし、問題ないだろう」、と思われていることがありますが、乳歯の虫歯は永久歯の歯並びにも影響を与えるため、軽視することはできません

実際に、乳歯がひどい虫歯になって早めに乳歯を失い、そのせいで歯がずれて歯並びが悪くなる、ということは少なくありません。

そのため、乳歯の段階から虫歯予防に注力し、正常な時期に生え替わりが起こるようにしていくことはとても大事です。

 

2-3姿勢や癖に気をつける

姿勢は正常な骨格を形成する上で、とても重要です。悪い姿勢でいることが多いと、顎の位置もずれて発達してしまう可能性があります。また、歯や顎に力がかかるような口周囲の様々な癖が日々繰り返されることで歯並びや骨格の形が悪くなるケースというのも多いため、日々の姿勢や癖に気をつけていくことも大事です。

 

2-4良く噛む習慣をつける

「しっかりと噛む」ということをしていないと、口周りの筋肉がうまく発達せず、歯並びや骨格の正常な形成が行われません。

現代社会では、加工食品を食べる機会が多く、意識していないと、あまり噛まずにも食べられるようなやわらかいものばかり、ということになってしまい、噛む習慣がなかなかつきません。

そのため、食事には、適度に硬いもの、大きめのものを取り入れ、自然に噛む習慣をつけていくようにしましょう。

 

3.子どもの歯並びの予防に効果的な食べ物は?

3.子どもの歯並びの予防に効果的な食べ物は?

食べ物はやわらかくて食べやすい物だけでなく、適度な硬さのもの、よく噛まないと食べられないようなものを意識して与えるようにしましょう。良く噛むことによって筋肉の発達向上だけでなく、唾液もたくさん出ますので、消化にも虫歯予防にも、免疫向上にも大きなメリットがあります。

たとえば、食事の際には、生野菜、たけのこやごぼう、れんこんなどの根菜類、キノコ類、こんにゃくなどを積極的に取り入れてみましょう。野菜を切る時は、繊維に沿って切る、大きめにカットする、火を通す際には歯応えを残すくらいの加減にしてみると良いでしょう。

おやつには、りんご、梨、ナッツ類、煮干し、ドライフルーツ、グミなどといったものがおすすめです。

また、糖分の摂取過剰は虫歯のリスクを高めますので、甘いものを摂りすぎない、飴やジュースなどをだらだらと口の中に入れない、といったことにも注意しましょう。

 

4.まとめ

歯並びや骨格が悪くなる場合、遺伝的なことが原因になっている人よりも、むしろ生活習慣や食習慣などの後天的なことが原因になっている人が多いと言えます。

歯並びや骨格というのは、見た目にも影響を与えるものですが、それよりも体の健康、心の健康にとって大きな影響をもたらすものです。

顎の骨や歯並びは、乳児期からの積み重ねによって徐々に形成されていくものです。小さなころから歯並びを悪くする習慣を避けて行くことで、また、定期的に歯科医院でチェックを受けて行くことで、自然に健全な歯並びや骨格を獲得して行くことが可能です。

ぜひ、お子さんの将来の健康のためにも、今回の内容を参考にしてみてください。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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