子どもの矯正治療にかかる費用は?保険・助成制度・節約方法まで徹底解説

子どもの矯正治療にかかる費用は?保険・助成制度・節約方法まで徹底解説
お子さんの歯並びを検診で指摘され、「矯正を考えたいけれど費用が心配…」という方は少なくありません。実際、矯正治療は決して「安い」治療ではなく、費用面においてある程度負担がかかってくることが多いです。

ですが、さまざまな制度や支払い方法を利用すれば、治療費の負担を大幅に軽減することも可能です。今回は、子どもの矯正治療にかかる費用について、保険が可能になるケースはあるのか、どのような助成制度があるのか、そして費用を抑えるポイントまで詳しく解説していきます。

お子さんの歯並び矯正をお考えの方はぜひ今回の内容を見て、治療費の節約に役立ててみてください。

 

1.子どもの歯科矯正は「保険適用」になるの?

 

1-1原則として保険外だが、成人より安く済むことも多い

まず結論から言うと、子どもの歯科矯正は大人の矯正と同様、原則として健康保険が適用されない「自由診療(全額自己負担)」となります。

ただし、子どもの矯正治療は簡単な治療で可能なケースも多いため、一般的な成人矯正の金額(数十万円〜100万円程度)と比べると、治療費が安く済む場合も多いです。

 

1-2保険が適用される「3つの例外」

まれなケースではありますが、矯正治療に対して例外的に保険が適用されるケースというのもあります。

治療に保険がきく条件として「病名が付けられる」ということがありますが、次のようなケースは病気として認められるため、保険が適用になります。

・生まれつきの病気(口唇口蓋裂など)に伴うかみ合わせの異常
・あごの骨に大きなズレがあり、外科手術が必要になる矯正治療
・厚生労働省が定めた特定の疾患に該当する場合 (ダウン症、ターナー症候群など59種類の指定疾患)

これらは治療の必要性が医学的に明確である「病気」として判断されるため、保険での治療が可能になります。

関連記事:保険診療できる矯正歯科はあるの?保険適用の条件は?
参考サイト:日本矯正歯科学会 矯正歯科治療が保険の適用になる場合とは

 

2.自治体からの「補助金(助成金)」はある?

2.自治体からの「補助金(助成金)」はある?

2-1「矯正専用の補助金」は原則としてない

「自治体から補助が出るのでは?」と期待される方も多いですが、現実としては矯正治療専用の国による助成制度は原則としてありません。自治体によっては独自の制度がある場合もありますが、非常に限定的です。

たとえば、一部の自治体では「かみ合わせの異常が強いケース」や、医師の診断がある場合には助成金が出る場合もありますが、制度が年度ごとに変わったり、条件が個別の判断による部分が多かったりなど、確実な制度とは言えない状況です。

 

2-2「子ども医療費助成」が使えるケースも

前章で説明した「例外的なケース」のような、保険適用となる矯正治療の場合には、自治体の「子ども医療費助成制度」が利用できる可能性があります。

この制度を利用すれば、治療費が大きく軽減されることもありますので、保険で矯正治療を行っている場合には事前に確認しておくとよいでしょう。

 

3.実質的に治療費を安くできる「医療費控除」とは?

 

参考サイト:国税庁|医療費控除の対象となる条件

 

3-1確定申告で税金の一部が返ってくる!

矯正治療を受ける方がぜひ知っておきたいものとして「医療費控除」があります。
これは、1年間に支払った医療費の合計が一定額を超えた場合に、支払った税金の一部が返ってくる制度です。

一般的には同居している家族の医療費の合計が年間10万円(所得によってはそれ以下)を超えると対象となり、たとえば、矯正費用が50万円かかった場合、数万円~十数万円戻ってくるケースが多いです。

 

3-2子どもの矯正は対象になりやすい

医療費控除の対象になるのは、「見た目の改善」ではなく「機能改善」を目的にした治療です。
子どもの矯正治療は、通常、「見た目の改善」というよりは「成長や機能の改善」を目的とするため、ほとんどの場合、医療費控除の対象として認められます。

 

3-3通院費も対象になる

通院のために必要な交通費は「医療費」として計上できます。対象になるのは、基本的には公共交通機関(バス、電車など)で、自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外となります。

またやむを得ない場合のタクシー(公共機関が使えない、緊急時など)も認められることがあります。なお、お子さんだけでなく、付き添いの親御さんの分の交通費も対象となります。積み重なると大きな金額になるため、領収書や記録はしっかり残しておきましょう。

 

4.無理のない支払いのための「デンタルローン」と「分割払い」

4.無理のない支払いのための「デンタルローン」と「分割払い」

4-1一括払いが難しい場合の選択肢

矯正治療が高額になる場合、「一括で支払うのが難しい」となる場合もあるでしょう。そんな時は分割払いにすることで一回の負担を軽くすることができます。

 

4-2デンタルローンと院内分割の違い

分割場合にする場合、次のような方法が可能になることがありますので、歯科医院にあらかじめ確認しておきましょう。

・デンタルローン:信販会社を利用した分割払いで長期分割が可能。利息が発生する。
・院内分割:歯科医院独自の分割制度。回数に制限があることが多く、無利息のケースが多い 。

 

5.子どものうちに矯正を始める「費用面」でのメリット

 

5-1大人よりも費用を抑えられる理由

子どものうちに矯正を始めると、成人矯正(すべて永久歯に生えかわってからの矯正治療)と比べて費用を抑えられるケースも多くあります。

その理由は次の通りです。

◆簡単な装置で治療が可能になることも多い
子どもの矯正では、あごを広げる、上下のバランスを整える、といった治療がほとんどなので、成人矯正とは違って簡単な装置で治療が可能になることが多いです。

◆無理に歯を動かす必要がない
成長を利用できるので、無理に歯を動かすということが不要になることが多く、その分費用も抑えられます。

 

5-2トータルで見たときの費用と期間

大人になってから矯正を始める場合、歯を並べるスペースを確保するために抜歯をして矯正する必要が出てくるなど、治療期間が長くなり、結果として費用も増える傾向があります。

一方、子どものうちに始めると、小児矯正により成長期に合わせてあごを広げることができるので、永久歯を良い位置に誘導することができ、その後成人矯正が必要にならない場合もあります。

また、もし成人矯正が必要になる場合でも、すでに土台が整っているので、歯をそれほど動かす必要がなく、治療期間も費用も抑えることができます。

関連記事:子どもの矯正治療って必要?ベストな治療開始のタイミングはいつ?

 

6.まとめ

 

子どもの矯正治療は、成人矯正の場合と同様、一部の例外を除いて原則として自由診療となりますので、費用面ではある程度見込んでおく必要はあります。

ただし、歯並びによっては簡単な装置のみで済み、それほど負担がかからない場合もありますし、もしある程度かかってくる場合でも、医療費控除で実質的な負担を大幅に軽くすることもできます。また、分割払いを利用すれば、一度の出費を軽くすることも可能です。

さらに言えば、小児矯正をすることで、成長期に合わせた治療ができるので、スペース確保のための抜歯を不要にできる可能性がある、歯を無理やり動かす必要がなくなる、本格矯正(成人矯正)の期間や治療費を減らすことができるなど、多くのメリットがありますので、今現在歯並びに問題が出てきているのであれば、お子さんのうちに始めるのがおすすめです。

いずれにしても、お子さんの成長に合わせた適切なタイミングで、無理のない計画を立てていくことが大切です。そのため、気になることがあれば、まずは歯科医院で相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者

なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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