インビザラインを装着したまま飲んで良い飲み物と飲んではいけない飲み物

インビザライン矯正をする場合、基本的に食事、歯磨きの時以外はずっと矯正装置としてのマウスピースを装着しておく必要があります。
ですが、個人差はあるとしても、飲み物を飲む機会というのは一日に何度かあるので、「なにか飲む時にはマウスピースは外した方がいいのかな?」と疑問に思ったり、「飲むたびにいちいち外すのは面倒だな」と感じたりする人もいることでしょう。
実は、インビザライン矯正中は、飲み物の種類によって外した方がいいもの、特に外す必要がないものがあります。
もしそれを知らずに外さずに何でも飲んでしまうと、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。
そこで今回は、
・インビザライン装着時の飲み物に制限がある理由
・インビザラインを装着したまま飲んではいけない飲み物
・インビザラインを装着したまま飲んで良い飲み物
・やむを得ない状況でインビザラインを装着したまま飲む場合の対処法
について解説していきます。
インビザライン矯正を問題なく、スムーズに進めていくためにもぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
1.インビザライン装着時の飲み物に制限がある理由
インビザラインのマウスピースを装着している際は飲み物の種類に対して注意が必要になってきます。
それはなぜかというと、飲み物によっては気を付けないと、「マウスピースの変形」や「むし歯や歯周病のリスク」、「着色のリスク」を高めてしまうことがあるからです。
ですが、どんな飲み物がインビザライン矯正中にリスクになるのか、ということをきちんと知っておくこと、また、リスクのある飲み物を飲む場合の注意点、対処法についても理解しておくことで、そのようなリスクを避け、快適に治療を進めていくことができます。
それでは、次項以降で、インビザラインを装着したまま飲んではいけない飲み物、装着したまま飲んでも良い飲み物、やむを得ない状況でインビザラインを装着したまま飲む場合の対処法について見ていきましょう。
2.インビザラインを装着したまま飲んではいけない飲み物
インビザラインのマウスピースを装着したまま飲んではいけない飲み物として、次のようなものが挙げられます。理由とともにご紹介します。
2-1糖分を含む飲み物
砂糖入りの清涼飲料水、フルーツジュース、スポーツドリンク、砂糖入り炭酸飲料、野菜ジュース、牛乳、乳酸菌飲料、アルコール飲料、砂糖入りのコーヒー・紅茶、フレーバーウォーターなど
<理由>
糖分を含む飲み物を、マウスピースを着けたまま飲んでしまうと、マウスピース内部に入りこんでしまって停滞し、むし歯を引き起こすリスクが高くなります。
糖分はむし歯菌のエサとなりますので、マウスピースの内部に長時間停滞するほど、内部でむし歯菌が繁殖してしまい、非常に高リスクとなります。
健康に良さそうな100%フルーツジュースや野菜ジュースにも糖分が含まれていることが多いですし、牛乳に関しても乳糖が含まれています。また、透明で水のように見えるフレーバーウォーターにも砂糖が含まれているため、注意が必要です。
スポーツをしている人はスポーツ中にスポーツドリンクを飲むことが多いかと思いますが、マウスピースをしたまま飲み続けることでむし歯のリスクが高まります。
2-2熱い飲み物
熱いお湯、お茶、コーヒーなど
<理由>
インビザラインのマウスピースは医療用プラスチックでできています。
プラスチックは60度以上の温度で変形する恐れがあるため、たとえ水であっても熱めの温度のものは控えるべきです。
2-3酸性の飲み物
炭酸飲料(シュガーレス、ノンシュガー含む)、酢、スポーツドリンク、柑橘系飲料、フレーバーウォーター、乳酸菌飲料、アルコール飲料(とくにビール、ワイン、チューハイ、炭酸水など)
<理由>
歯のエナメル質は体で一番硬い部分ですが、唯一酸に弱いという特徴を持っています。マウスピースの内部に酸性の飲料が入りこんで停滞してしまうと、歯が溶け出す「酸蝕症」を起こす恐れがありますので、たとえ砂糖が入っていないものであっても注意が必要です。
酢やクエン酸などを積極的に飲むことは健康に良いので推奨されていることがありますが、マウスピースを装着している時には内部に停滞し、歯を溶かす恐れがあるため、避けましょう。
また、健康のために無糖・無香料の炭酸水を好んで飲む人も多いかもしれませんが、炭酸水もpHは酸性寄りで、長時間さらされると歯が溶けるリスクはゼロではありませんので注意してください。
2-4色のついた飲み物
コーヒー、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶、緑茶、麦茶、赤ワイン、コーラ、ぶどうジュース、ベリー系ジュース、トマトジュース、スポーツドリンク、エナジードリンクなど
<理由>
色のついた飲み物は、たとえ濃い色でなくてもマウスピースの内部に入りこむと、マウスピースと歯が着色する原因になります。
麦茶や緑茶など、砂糖の入っていない飲み物は、歯が長時間さらされても健康上問題はありませんが、やはり着色してしまうとなかなか落ちず、見た目が悪くなってしまいます。
3.インビザラインを装着したまま飲んで良い飲み物
インビザラインのマウスピースを着けたまま飲んでも問題のない飲み物は、水のみです。水と言っても温度が高いお湯になると変形の恐れがありますので、気を付けましょう。
無糖・無香料の炭酸水は多少酸性に傾いているとは言え、長時間かけてちびちび飲むなどといった飲み方でなければ、それほど問題にはならないでしょう。
念のため、このような炭酸水を飲んだ後は通常の水で軽くゆすいでおくと安心です。
4.やむを得ない状況でインビザラインを装着したまま飲む場合の対処法
もしうっかりマウスピースを着けたまま水以外の飲み物を飲んでしまった場合、もしくは仕事先や訪問先で飲み物を出されてマウスピースを外せずそのまま飲んでしまった場合でも、パニックになる必要はありません。
もしそのような状況が起こった場合、できる限り早いタイミングで一度マウスピースを外し、歯磨きとマウスピースの洗浄をしてから再度装着するようにしてください。
たまにそういうことがあっても、対応が早ければ特にそれほど問題になることはありません。ただし、あまりそのようなことが頻繁に起こると、影響が積み重なってトラブルが起こる可能性もありますので、うっかり飲んでしまう、ということは避けるように気を付けていきましょう。
5.まとめ
食べる時には矯正装置を外すことができるインビザラインは、とても便利で歯の健康も守りやすい矯正治療法ではありますが、飲み物を飲む際にいちいち外すのは、初めはちょっと面倒だと感じる人もいるかもしれません。
ですが、水以外の飲み物を飲む場合にはマウスピースを外して飲んで、なるべく早めに歯磨きをして再装着をする、このステップに慣れてしまえば、そのうち面倒さもそれほど感じなくなっていくことでしょう。
また、逆に、水以外の飲み物をなるべく控えるようになるので、砂糖入りの飲み物を飲まなくなるなど、体にとって良い習慣が身につくきっかけになる良いチャンスだとも言えます。
インビザラインのマウスピースは長時間装着しておく必要があるので、おのずと無駄な間食が減って健康的になった、というのもよく聞く話です。
インビザラインは、正しく使用していけば、とても健康的に歯並びを整えていくことができるメリットの多い矯正治療法です。ぜひ興味のある方は当院までご相談ください。
この記事の監修者

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