悪い歯並びが引き起こすスポーツ選手への悪影響

悪い歯並びが引き起こすスポーツ選手への悪影響
歯並びは見た目だけの問題だと思っていませんか?
矯正治療を希望する人の多くは、見た目の改善を目的としており、見た目が悪くなければ矯正する必要はないと考えられがちです。

ですが、歯並びの悪さの影響は見た目だけではありません。

たとえば、悪い歯並びはスポーツにおいてもパフォーマンスの低下やけがのリスクなど、そのほかにも多数のデメリットを引き起こします。

実際に、プロスポーツ選手などの一流のアスリートが矯正治療をしているのを見たことのある人もいる人もいると思いますが、それにはそういった理由があるからなのです。

そこで今回は、

  • 悪い歯並びが引き起こすスポーツ選手への悪影響について
  • 歯列矯正をすればスポーツのパフォーマンスは向上するのか?
  • スポーツパフォーマンス向上のために歯列矯正をする場合の注意点

という内容について一つ一つ解説していきます。

ご自身、もしくはお子さんがスポーツをしていている、という方はぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

 

1.悪い歯並びが引き起こすスポーツ選手への影響とは?

1.悪い歯並びが引き起こすスポーツ選手への影響とは?

1-1持っている力を100%発揮しづらい

人は力を入れる時、ここぞという時には無意識に奥歯をぐっと食いしばるものです。歯並びが悪いことでかみ合わせが悪く、奥歯でしっかりと食いしばることができないと、瞬発力や持久力、力の強さなどを100%発揮しにくくなってしまいます。

具体的には、スタートダッシュやジャンプ力が落ちる、球技においてボールに力が乗らない、格闘技において本来の力を発揮できない、といったことが起こりやすくなります。

 

1-2バランス感覚に影響が出ることがある

かみ合わせが悪いと重心がぶれやすくなってしまって、左右のバランス感覚が悪くなってしまいます。そうすると、例えば背骨や骨盤が傾いてフォームが崩れてしまう、野球やテニス、ゴルフなどでスイングの軸がぶれる、器械体操やフィギュアスケートなどで正しい姿勢を維持できない、といった問題が起こりやすくなります。

 

1-3ケガのリスクが高まることがある

出っ歯のように歯が前に出ている場合、人とぶつかり合うことのある競技や転倒時に歯を折りやすくなったり、唇を傷つけやすくなったりといったリスクが高まりやすいです。

また、かみ合わせが悪いと、かむ筋肉とつながる頭部や首、肩にも負担がかかりやすく、それに加えて体幹のズレも起こるので、スポーツ時に肩や腰を傷めたり、ケガをしたりするリスクも高くなります。

 

1-4持久力が落ちる

歯並びが悪く、口の中のスペースが狭くなってしまっている場合、舌は口の中にきちんと収まることができず、結果として喉の方に落ち込む形となります。

そうすると、酸素の取り込みが十分にできなくなってしまい、持久力が落ちてしまうことにもなりかねません。

また、脳にも酸素が行きづらくなってしまいますので、集中力や判断力の低下にもつながってしまう恐れがあります。

 

1-5歯のトラブルによる影響

歯並びが悪いと、歯磨きが効率的に行えない、歯に過剰な負担がかかりやすい、といった理由から、虫歯や歯周病にかかりやすく、歯のトラブルに見舞われる可能性が高くなります。

歯が痛いとスポーツに全力を注ぐことができなくなってしまいますので、スポーツを楽しめない、パフォーマンスが低下してしまう、といったことにつながります。

 

1-6 エネルギーをしっかりと補充しにくい

歯並びやかみ合わせが悪いと、食事の際にしっかり噛むことができず、消化吸収が悪くなるため、栄養分を十分に補充しにくくなる恐れもあります。

食事から栄養をきちんと補給できないと、エネルギー不足、スタミナ不足、筋肉のけいれんなどのトラブルの原因となっていきます。

 

2.歯列矯正をすればスポーツのパフォーマンスは向上するの?

 

歯並びが悪いと、上記のような多くの問題が生じ、スポーツパフォーマンスを下げるだけでなく、体の故障やケガにもつながりかねません。

歯並びやかみ合わせに問題のある方が歯列矯正をすれば、このような問題を解決できる可能性があるので、気になる方は一度歯科医院で相談してみるとよいでしょう。

矯正治療は費用も治療期間もかかる治療ということもあり、特に大人の方の場合だと、歯並びやかみ合わせが悪くても、本人が問題を感じていなければ敢えて歯科医師が歯列矯正を提案しない、ということもよくあるので、一度率直に歯並びやかみ合わせの状態について相談してみると、自分が気づいていなかった問題点を知るきっかけになるかもしれません。

 

3.スポーツパフォーマンス向上のために歯列矯正をする場合の注意点

3.スポーツパフォーマンス向上のために歯列矯正をする場合の注意点

注意したいのは、歯列矯正をすればスポーツパフォーマンスが必ずしも高まるか、というとそうとも言いきれない、ということです。歯並びの状態や矯正治療方法によっては効果がない、もしくは逆効果になることもあるのです。

スポーツパフォーマンスの向上のために歯列矯正を考えている方は、次のような点に注意しましょう。

 

3-1骨格の問題がある場合には歯列矯正だけでは解決しない

上下のあごの骨の大きさにアンバランスがある、もしくはあごが変形している、というような骨格的な問題がある場合、歯を動かす矯正治療だけでは問題が解決しないことがあります。

このようなケースをきちんと解決するには、あごの骨を切る手術も並行して治療を行う必要があり、傷口が回復するまではスポーツが一定期間できなくなることもありますので、そういった点では注意が必要です。

 

3-2矯正治療方法をよく理解して選択する

歯並びが重なっていて口の容積が小さくなっている場合だと、口内を広げる矯正治療をすることで舌の位置が改善、酸素の取り込みが増してスポーツパフォーマンスの向上が期待できます。

ですが、歯の出っ張りや歯の重なりを改善する目的で抜歯をして歯並びを改善する方法の場合、口内の容積が逆に小さくなってしまい、酸素の取り込み量が減って逆効果になる恐れがあります。

また、歯に装置をつけて動かす歯列矯正ではなく、歯を削ってセラミックを被せて歯並びを整える「セラミック矯正」だと、歯をたくさん削るなど、歯に対して多くの負担をかけてしまい、そこにスポーツ時の食いしばりが加わると、歯が長持ちしなくなるリスクが出てきます。

 

3-3スポーツによっては矯正装置がリスクになることも

格闘技や人とのぶつかり合いの多いスポーツの場合、ワイヤー矯正装置を入れていると衝撃によって口の中が傷ついたり、装置が破損したりするリスクがあります。

マウスピース矯正ならこのようなリスクは回避できますので、可能であればマウスピース矯正の選択肢も検討してみるといいかもしれません。

 

4.まとめ

 

今回ご紹介したように、歯並びやかみ合わせというのは、スポーツを行う上でパフォーマンスやバランス感覚に影響を与えるだけでなく、安全にスポーツを行う上でも非常に重要な要素であることは間違いありません。

現に、一流のスポーツ選手でも、歯並びを治して結果を飛躍的に高めた人たちがいるのはよく知られています。

特に、成長期真っ只中のお子さんの場合、悪い歯並びを早期に改善しておくことは、骨格を正常に成長させることにもつながり、それが健康な体作りにも直結していきます。

矯正治療を「見た目の改善」とだけとらえず、体の機能を最大限に発揮できるための方法、将来的により健康的に過ごせるための方法としても捉えていただき、スポーツを安全に、そして十分に能力を発揮してもらうためにも活用していただければ幸いです。

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この記事の監修者

なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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