マウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正の違い、実際どっちがいいの?

マウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正の違い、実際どっちがいいの?
インビザラインは透明なマウスピース矯正の中で代表的とも言えるもので、従来から一般的に行われてきたワイヤー矯正とは全く異なる、患者様がご自身で装着、取り外しをしていただくタイプの矯正治療法です。

 

目立たず、違和感も少なく、食事の際にも邪魔にならない、ということで興味を持つ人が多い一方で、新しい治療法であるインビザラインに対して「本当に大丈夫なのだろうか?」と疑問を持っている人もいるかもしれません。

 

そこで今回は、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正とワイヤー矯正を比較し、その違い、それぞれのメリットやデメリット、どちらにするか迷った時の判断ポイントなどについてまとめてみました。

 

1.インビザライン(マウスピース矯正)とワイヤー矯正の特徴

 

1-1インビザライン(マウスピース矯正)の特徴

 

インビザラインは、透明で薄いプラスチックの素材で作られたマウスピースを装着し、次の段階のマウスピースに定期的に取り替えていくことで歯並びが徐々に整っていく矯正治療システムです。

 

付け替えるマウスピースの個数は歯並びの状態によっても異なり、数個から数十個と、その人によって幅があります。

 

患者さんご自身が管理して着脱するシステムなので、食事の時など自由に外せるのが便利な一方で、ご自身できちんと管理をすることが難しい方、長時間マウスピースをつけておくことが難しい方には向きません。

 

1-2ワイヤー矯正の特徴

 

ワイヤー矯正は、歯の1本1本の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、そこに形状記憶ワイヤーを固定することで段々と歯が動き、次第に歯並びが整っていく治療法です。

 

装置は固定されたままなので、食事や歯磨きの際には邪魔になってしまうなど、不便な面はあるものの、歯は勝手に動いていくので、確実性が高い方法だと言えます。

 

装置をつける位置により表側(唇側)矯正、裏側(舌側)矯正に分けられます。

 

2.インビザライン(マウスピース矯正)とワイヤー矯正のメリット・デメリット

 

2.インビザライン(マウスピース矯正)とワイヤー矯正のメリット・デメリット

 

インビザライン、ワイヤー矯正、両者は治療法が異なりますので、単純に比べてどちらがいい、ということは言えません。それぞれにメリット・デメリットがありますので、それについてよく吟味した上で、治療法を選択していくことが大事です。

 

それぞれの治療法について、メリット・デメリットを見ていきましょう。

 

2-1インビザライン(マウスピース矯正)のメリット・デメリット

 

<メリット>

◆目立たない
薄くて透明な医療用プラスチックを素材としたマウスピース型装置ですので、装着していても目立たず、見た目に影響しません。

◆装置が邪魔にならない
装着していても出っ張りがないため、邪魔になりませんし、食事や歯磨きの際には外していただきますので、生活が不便になることがほとんどありません。

◆痛みや違和感が少ない
ワイヤー矯正のようなデコボコした装置ではなく、表面も滑らかですので、お口の中の粘膜を傷つけることがありません。また、歯にピッタリとフィットしますので、違和感も少なめです。

また、一度に動く歯の距離がコントロールされているため、歯が動く際に感じる痛みもワイヤー矯正に比べて少なめです。

◆虫歯や歯周病のリスクを高めにくい
歯磨きの際には外してすみずみまで磨くことができるので、虫歯や歯周病のリスクが高くなることはありません。

◆金属アレルギーのリスクがない
ワイヤー矯正とは違い、金属を使用しませんので、金属アレルギーのリスクもありません。また、素材は生体親和性の高い材料ですので、体に害もありません。

◆装置のトラブルが少ない。
歯に固定する装置がないため、ワイヤー矯正で起こりがちな装置の脱落や破損といった装置のトラブルがほとんどありません。

◆通院回数が少なめ
治療は基本的に、患者様ご自身がマウスピースを交換することで進んでいきますので、歯科医院に通院する回数は少なめです。

◆治療後のイメージ・治療期間がわかる
インビザラインの場合、シミュレーションソフトにより、治療を開始する前に治療後のイメージを画面上で確認することができます。また、治療期間をほぼ正確に知ることも可能です。

◆同時にホワイトニングも可能
歯に装置が固定されないため、矯正治療を行いながら歯を白くするホワイトニングの治療も受けていただくことが可能です。

 

<デメリット>

◆適応症例が限られる
マウスピース矯正は、歯の移動距離が大きめのケースはあまり得意としません。そのため、対応しきれないケースというのがあります。

◆自己管理が必要
取り外しができるのがメリットである一方、患者様ご自身できちんとマウスピース装置を装着しなければ治療効果が現れません。

 

2-2ワイヤー矯正のメリット・デメリット

 

<メリット>

◆裏側矯正の場合、矯正していることがわからない
歯の裏側に装置がつく裏側矯正の場合には、装置が全く見えませんので、矯正していることがわかりません。

◆適応症例が広い
ワイヤー矯正ではさまざまな動きをすることが可能なので、幅広い症例に対処が可能です。

◆歯が勝手に動く
装置が固定されていますので、歯は放置していても勝手に動いていきます。

 

<デメリット>

◆表側矯正の場合、装置が目立つ
表側に装置がつく場合には、どうしても装置が目立ってしまいます。

◆食事や歯磨きの時に邪魔になる
装置が固定されていると、食事や歯磨きの際には邪魔になってしまい、制限が出てしまいます。

◆痛みや違和感を感じやすい
装置によってお口の粘膜が傷つきやすいのに加え、装置そのものによる違和感があります。また、歯が動く際の痛みもマウスピース矯正よりも強めです。

◆金属アレルギーのリスクがある
金属を使用しますので、金属アレルギーのリスクがゼロではありません。

◆装置のトラブルが起こることがある
装置が脱落したり、破損したりといったトラブルが起こる場合があります。

 

3.インビザラインとワイヤー矯正、どっちか迷ったときの判断ポイント

 

3.インビザラインとワイヤー矯正、どっちか迷ったときの判断ポイント

 

インビザライン、ワイヤー矯正、どちらにするか迷った場合のポイントを表にしてみましたので、ぜひ治療法を決める際の参考にしてみてください。

矯正方法 インビザライン ワイヤー矯正
目立ちやすさ 目立たない 表側・・目立つ裏側・・目立たない
違和感・痛み あまりない ある
装置 取り外し式 固定式
虫歯・歯周病のリスク ほとんどない リスクがある
金属アレルギーのリスク ない まれにある
装置のトラブル ほぼない 装置の破損・脱落の可能性あり
食事 不便にならない 不便を感じやすい
治療頻度 6週間から2ヶ月に1回程度 1ヶ月に1回程度
適応症 限られる 幅広く対応
治療の予測 できる 大まかにしかわからない
自己管理 患者様の管理が不可欠 放っておいても歯が動く
治療期間 1年半〜2年半程度 1年半〜2年半程度
ホワイトニングの同時進行 可能 不可能

 

4.まとめ

 

以上、インビザライン(マウスピース矯正)と、ワイヤー矯正の違いについて、それぞれのメリットやデメリットを含めて詳しくご紹介しました。

 

治療費用や期間に関しては、それぞれの症例によっても異なり、一般的に、両者における絶対的な違いというのはありません。そのため、治療法の決め手となるのは、患者様が何を希望されるか、またどのような歯並びであるか、そして患者様の生活スタイルがどのようなものか、というようなことがポイントとなります。

 

なかにはワイヤー矯正でしか対応できないケースというのもありますので、矯正治療をお考えの方は、まずは一度矯正歯科でカウンセリングを受けてみられることをおすすめします。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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