
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
お子さんが自分で歯ブラシを持てるようになると同時に仕上げ磨きを卒業させている、というご家庭もあるかもしれません。
実は、仕上げ磨きが必要な期間は、歯の生え変わりの進み方と深く関わっています。そのため、「〇歳になったから終わり」と年齢だけで区切るのではなく、お口の中の状態やお子さんの成長に合わせて見極めていくことが大切です。
今回は、仕上げ磨きがいつまで必要なのか、そして仕上げ磨き終了後にお口を健康に保ち続けるケアのポイントについても、わかりやすくお話ししていきます。
1. なぜ仕上げ磨きが必要なの?
なぜ子どもの時期に保護者による仕上げ磨きが必要なのか、それには次のような理由があります。
1-1.こどもの歯はむし歯リスクが高いから
まず、乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、むし歯になりやすいうえに進行するスピードも速いという特徴があります。痛みなどの自覚症状が出にくいまま進んでしまうことも多く、気づいたときにはかなり進行している、というケースも少なくありません。
また、生えたばかりの永久歯は質が弱く、磨き残しがあるとすぐにむし歯になりやすいという弱点があります。
1-2.歯ブラシを適切に当てることが難しいから
子どものうちは大人のように手先を細かくコントロールすることが難しく、奥歯の溝や歯と歯の間、歯と歯茎の境目など、むし歯リスクの高い場所を磨き残してしまいがちです。
そのため、毎日磨いたとしても、磨き残した部分からむし歯ができてしまうリスクがあります。
1-3.むし歯や歯並びの変化に気づきやすいから
毎日お口の中をチェックしてもらう経験は、むし歯や歯ならびの変化に早く気づくきっかけにもなりますし、お子さんが将来、自分自身でしっかりと歯を守る習慣を身につけるための土台にもなります。
仕上げ磨きの時間は、「単なる清掃の時間」ではなく、お子さんの様子をうかがいながらコミュニケーションをとれる、親子にとって貴重なスキンシップの時間にもなりますし、お子さんが将来的に歯を大切にしていく気持ちをはぐくむことにもつながっていきます。
2. 仕上げ磨きはいつまで必要?年齢別の目安と注意点

仕上げ磨きはいつまで必要なのか?そして、仕上げ磨きをする際の年齢別の注意点について見ていきましょう。
2-1. 0~2 歳ごろ:歯磨きに慣れる時期
およそ生後 6 か月頃、まずは下の前歯が生え始めたら、歯磨きをスタートするタイミングです。この時期は上手に磨くことよりも、歯ブラシやお口を触られることに慣れてもらうのが目標です。
最初から歯ブラシでなく、ガーゼや綿棒などで拭ってあげるところから始め、慣れてきたら年齢に合った歯ブラシを使うようにするとよいでしょう。
なお、上の前歯を磨く際、上唇と歯茎をつなぐ「上唇小帯」というヒダの部分に歯ブラシが当たると痛がって嫌がる原因になりますので、その部分を指でそっとガードしながら磨いてあげるようにしてください。
2-2. 3~5 歳ごろ:自分で磨く練習期
この頃にはほとんどのお子さんが自分で歯ブラシをもって磨くようになっていますが、この年齢ではただ歯ブラシを動かしているだけで、まだ細かい部分まで磨ききることはできません。
そのため、自分磨きのあとに保護者の方が必ず仕上げ磨きをして、磨き残しをしっかりフォローしてあげてください。
2-3. 6~9 歳ごろ:乳歯と永久歯が混在する要注意期
この年齢は、乳歯と永久歯が混ざり合う時期のため、歯の高さがバラバラで歯ブラシが届きにくく、むし歯のリスクが特に高まる要注意の時期です。
特に 6 歳前後に生えてくる 6 歳臼歯は、生え始めが歯茎に隠れて見えにくく、噛み合わせの土台となる大切な歯でありながらむし歯になりやすいため、注意が必要です。
また、生えたばかりの永久歯はやわらかく酸に弱いため、仕上げ磨きの重要性がぐっと増します。
生え替わりでぐらぐらの歯があると、その部分に汚れも溜まりやすくなり、そういった意味でもむし歯のリスクが高まります。
関連ページ:子どもの歯がグラグラしてきたら、自分で抜いてもいいの?抜くタイミングは?
2-4. 10~11 歳頃:そろそろ仕上げ磨き卒業の目安
手先の細かな動きが可能になる、歯磨きの重要性への理解が進む、集中できるようになる、この 3 つがそろってくるのがおおよそ 10 歳前後といわれています。
また、この頃になると乳歯から永久への生え替わりも落ち着いてきます。
とはいえ、卒業のタイミングには個人差がありますので、年齢だけで区切らず、実際にお子さんの歯がしっかり磨けているかを定期的に確認しながら、少しずつ頻度を減らしていくと、無理なく自立につなげられます。
3. 仕上げ磨きを嫌がるときのコツ
そもそも仕上げ磨きを嫌がってしまうお子さんも少なくありません。無理に押さえつけて磨いてしまうと、痛い思いや怖い思いが記憶に残り、歯磨き自体を嫌いになってしまうこともあります。
- お気に入りの歌を歌いながら短時間で終わらせる
- 鏡を見せながら磨く
- お気に入りのキャラクターの歯ブラシを使う
- 好きなフレーバーの歯磨き粉を使う
など、楽しく歯磨きができるなど工夫してみましょう。
「今日は何本の歯をピカピカにできたかな」というように、できたことをほめてあげるのも効果的です。もちろん、甘いおやつを与える回数や時間帯を見直すことも、むし歯予防の観点から大切なポイントですので忘れないようにしましょう。
関連ページ:虫歯になりにくいお菓子ってあるの?
4. 仕上げ磨き卒業後も大切な年代別の口腔ケア

仕上げ磨きが終わった年代でも、お口の健康を維持するためには次のようなことを意識していきましょう。
4-1. 学童期・思春期
仕上げ磨きを卒業したあとも、しばらくは時々仕上がりを確認し、磨けていないところがないか、チェックしてあげましょう。
特に永久歯が生えそろう時期は歯ならびが複雑になりやすく、歯ブラシだけでは汚れを落としきれない部分も出てきますので、デンタルフロスの活用や、定期的な歯科検診でのフォローを続けていきましょう。
部活動などで生活リズムが変わりやすい時期ですし、間食の時間や飲み物の選び方にも気を配ってあげると安心です。
4-2. 成人期
むし歯だけでなく歯周病のリスクにも注意が必要になってくる時期です。歯周病は歳をとってからかかると思われがちですが、実はその多くが若い頃から始まっています。
歯周病の恐ろしいところは、自覚症状が乏しいままじわじわと進行し、気づいたときには歯を支える骨が溶けてしまっていることも珍しくない、という点です。
毎日の歯磨きに加えて、歯間ブラシやフロスで歯と歯の間の汚れをしっかり落とすこと、そして 3~6 か月に一度の歯科検診でクリーニングと歯茎のチェックを受けることが、ご自身の歯を長く残すことにつながります。
4-3. 高齢期
唾液の分泌量の低下や歯茎の退縮によって、これまであまり心配のなかった歯の根元にもむし歯や歯周病のリスクが高まってきます。
また、お口の中を清潔に保つことは、むし歯や歯周病の予防だけでなく、誤嚥性肺炎の予防になるなど、1お口以外の健康にも深く関わっています。
ご自身での歯磨きに加えて歯科医院でのプロフェッショナルケアも取り入れながら、生涯にわたってご自分の歯で食事を楽しめるお口を目指しましょう。
関連ページ:口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防する方法
5. まとめ
仕上げ磨きは、乳歯から永久歯への生え変わりが落ち着く「10 歳前後」を目安に、お子さんの成長やお口の状態に合わせて続けていただくことが大切です。
年齢はあくまで目安であり、実際にお子さんがどれだけ自分でしっかり磨けているかを見ながら、無理のない範囲で少しずつ手を離していってください。
そして、仕上げ磨きを卒業したあとも、学童期・成人期・高齢期と、年代ごとに変化するお口のリスクに合わせたケアを続けていくことが、生涯にわたる歯の健康につながっていきます。
お子さんの仕上げ磨きの卒業時期に迷ったときや、ご家族それぞれの年代に応じたケアについて気になることがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
この記事の監修者
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