インビザラインのリテーナー(保定装置)はいつまでつけるの?「後戻り」しないために知っておきたいこと

インビザラインのリテーナー(保定装置)はいつまでつけるの?「後戻り」しないために知っておきたいこと
インビザライン矯正で理想の歯並びが手に入った瞬間、「やっと矯正も終わり!念願の歯並びを手に入れた!」と多くの人が思います。

矯正治療は平均的な治療期間が 2 年~2 年半程度、と長くかかる治療で、多くの人が「その期間だけ装置をつければいい」と思いがち。ですが、実は厳密にいうとそこで治療は「終わり」ではありません。

それが「保定」、つまりリテーナーの段階です。

矯正治療では、「歯を動かす治療」だけが重視されがちで、この保定という段階が軽く考えられがちな傾向があります。

ですが、ここを軽く考えてしまうと、せっかく整った歯並びが再び崩れてしまう「後戻り」を起こしてこともあります。

今回は、リテーナーをいつまでつければよいのか、そして装着期間中に気をつけていただきたいポイントについてなるべく分かりやすくお話ししていきます。

1. リテーナー(保定装置)って何?

リテーナーとは、矯正治療によってきれいに並んだ歯並びを、確実に定着させるために一定期間使用する大切な装置のことです。

1-1. なぜ矯正治療後にリテーナーが必要?

インビザラインで歯を動かした直後は、一見して歯そのものはきれいに並んでいても、歯を支えている組織や骨はまだ新しい位置にしっかりとなじんでいない状態です。

歯というのは、「歯根膜」と呼ばれる組織を介してあごの骨に埋まっていますが、矯正治療によって歯が動くと、この歯根膜や周囲の骨も少しずつ新しい状態へと作り替えられていきます。

ただし、この作り替えには長い月日を要するため、治療直後の歯はまだ非常に不安定な状態にあります。つまり、そのままにしておくと、歯は元あった位置へ戻ろうとする力がかかり、少しずつ歯並びが崩れてしまうのです。

リテーナーを使用することで、この後戻りを防ぎ、動かした歯の位置をしっかりと安定させることができます。

関連ページ:インビザライン終了後のリテーナー(保定装置)とは?

参考サイト:日本臨床矯正歯科医会「保定について」

1-2. インビザラインのマウスピースとの違い

インビザラインのリテーナーの見た目はインビザラインの治療用マウスピースとよく似ています。そのため、「同じもの」だと思われていることもあります。

しかし、両者の役割は大きく異なります。治療用のマウスピースは、段階的に形を変えながら歯を「動かす」ためにデザインされていますが、リテーナーは整った歯並びをそのままの位置で「維持・固定する」ためのものです。

素材や透明感はインビザラインのマウスピースとほぼ同じなので、見た目や装着感にそれほど違いを感じることはありません。

 

2. リテーナーはいつまでつければいいの?

2. リテーナーはいつまでつければいいの?

2-1. 一般的な装着期間の目安

一般的には、リテーナーの装着期間は 2 年以上が推奨されています。もしくは治療にかかった期間と同等の期間装着する、というのが一般的な認識です。

特に治療が終わったばかりの初期段階(おおよそ 1 年程度)は歯が動きやすいため、装着時間を長く保つ必要があり、食事や歯磨きの時間以外は装着することをおすすめします。

その後は、歯並びが安定してくるのに合わせて、日中の装着時間を少しずつ減らし、最終的には就寝時のみの装着へと移行していくのが一般的な流れです。

参考サイト:日本臨床矯正歯科医会 「矯正歯科治療後の保定装置は必要なのでしょうか?」

2-2. 個人差があるので、個別に確認を

一般的な目安をお伝えしましたが、実際のところ、保定期間や装着時間の減らし方は、すべての患者様に一律に当てはまるものではありません。

「どのくらいリテーナーを付ける必要があるのか?」というのは、矯正治療前の歯並びの状態、動かした歯の距離や角度、年齢、噛み合わせの癖など、さまざまな要因によって違ってくるため、個人差があります。

そのため、ご自分にとって適切なリテーナーの装着時間は、担当歯科医師の指示をしっかりと守ることが大切になります。

2-3. 経過観察の重要性

リテーナーを装着する「保定期間」中は、一般的には 3~6 ヶ月に 1 回程度の頻度で歯並びとかみ合わせの状態をチェックする必要があります。

「問題なさそうだから」と、この経過観察を怠ってしまうと、後戻りが少しずつ進行していても気づくのが遅れてしまい、対応が難しくなってしまうことがあります。

何も起こっていないように感じられても、保定期間中の通院は、治療の総仕上げともいえる大切な時間ですので、決して欠かさないようにしましょう。

 

3. リテーナーを続けるうえで気をつけたいこと

3. リテーナーを続けるうえで気をつけたいこと

3-1. 自己判断で装着時間を減らさない

「もうすっかりきれいになったから、そろそろつけなくても大丈夫だろう」と自己判断で装着時間を短くしてしまう人は、実は少なくありません。それが原因で再度歯並びが乱れてしまう、ということは残念ながらよくあります。

たとえ歯並びが安定して見えても、目では見えない内部の組織はまだ変化の途中にあることが多く、自己判断で装着を怠ると後戻りのリスクが一気に高まってしまいます。

後戻りをすると、元に戻すためには再度矯正治療が必要になってしまいますので、装着時間を減らすタイミングは、自己判断をせず、必ず担当医の指示に従うようにしてください。

3-2. 紛失・破損に注意する

リテーナーは透明な薄いプラスチック素材でできているため、食事の際に外してそのまま紛失してしまう、というようなことも起こりがちです。

また、その辺に置いてしまい、ペットが噛んで破損させてしまう、ということもあります。

この辺の取り扱い方はインビザラインのマウスピースと同様、装着していない時間は必ず専用のケースに保管する習慣をつけることが大切です。

もし紛失や破損に気づいたら、「次の通院日まで待てばいいか」と先延ばしにせず、できるだけ早めに歯科医院に連絡しましょう。保定初期であればあるほど、装着していない期間が長くなるだけ歯が動いてしまうリスクが高くなります。

3-3. 毎日のお手入れも忘れずに

リテーナーは口の中に長時間装着するものですので、お口の健康を守るためにも衛生を保つことが大事です。

使用後はやわらかいブラシを使って流水下できれいに洗浄し、定期的に専用の洗浄剤も使用して汚れをためないようにしましょう。

熱いお湯で洗浄したり、推奨されていない洗浄剤や消毒剤などを使ったりすることは、リテーナーの破損や変形につながりますので、絶対に行わないようにしてください。

 

4.まとめ

インビザラインでの矯正治療は、マウスピースによる歯の移動が終わった時点がゴールではなく、リテーナーによる保定期間を経て、はじめてきれいな歯並びが本当の意味で安定します。

装着の目安としては 2 年以上、特に治療直後の 1 年間は装着時間をしっかり守ることが、後戻りを防ぐ最大のポイントです。

装着期間や装着時間の減らし方には個人差がありますので、自己判断せず、定期検診の中で歯科医師と一緒に確認しながら進めていくようにしましょう。

保定期間中の費用について気になる方は、インビザラインの費用はどれくらいかかる?相場と追加費用を解説もあわせてご覧ください。

せっかく時間をかけて手に入れた理想の歯並びをこれから先も維持させるためには、面倒でもリテーナーをきちんと使い続けていくことが大事ですので、くれぐれも油断せず、担当歯科医師と連携して最後までやり遂げていきましょう。

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この記事の監修者

なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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